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2023/12/30

舌には正しい位置がある!?大人の舌の正しい位置への直し方を解説

目次

普段、舌がどんな位置にあるか気にしたことはありますか?

実は舌は正しい位置である「スポット」におさまっていないと、歯並びや滑舌の悪化、口呼吸や睡眠時無呼吸症候群を引き起こしてしまう可能性があります。

この記事では舌の正しい位置とはどこか、舌が不適切な位置にある「舌癖」の原因と「舌癖」が引き起こす症状、「舌癖」で乱れた歯列と舌位置の治し方まで徹底解説します。

舌の正しい位置とは

舌の正しい位置について解説します。

舌の正しい位置「スポット」

舌には「スポット」と呼ばれる正しい位置があります。

上側の前歯裏の歯ぐきが盛り上がっている部分がスポットです。

スポットに舌の位置を維持しようとしても維持できない人は、口周りの筋力が弱っていたり、舌の裏側に問題がある可能性があります。

こんな場所に舌があると要注意

普段、舌が以下の場所にある人は注意が必要です。

  • 上下どちらかの前歯付近
  • 歯に挟まっている(噛んでいる)状態
  • 上下の歯の境目付近
  • 唇の裏に触れている

常に口が開いている人も注意が必要です。

舌が不適切な位置にある「舌癖」の原因

舌の位置が不適切な位置にある悪い癖「舌癖」が起こる原因を解説します。

舌癖の原因①|舌小帯が短すぎて低位舌になる

舌の裏側にある舌小帯(ぜつしょうたい)が短い場合、舌を上にあげづらくなってしまい、「低舌位」になってしまうことがあります。低舌位とは、舌が低い位置に留まってしまう状態のことです。

舌癖の原因②|指しゃぶり

幼少期に指しゃぶりが長いと、上下の前歯の隙間が開きやすくなってしまいます。

やがて、口を閉じても上下の歯列に隙間ができてしまいやすくなります。

舌癖の原因③|口周りの筋力が弱い

口周りの筋力が低下していると、飲み込む動作をしたときに自然と舌が前にでて歯を押してしまいます。。

飲み込む動作は毎日数百回から2千回程度行っていると言われ、やがて舌で押されることによって歯並びが乱れたり、受け口になってしまうことがあります。

舌癖の原因④|鼻の病気による口呼吸

蓄膿症・鼻炎といった鼻の病気になると、鼻が詰まってしまいます。

鼻が詰まることにより口呼吸になってしまい、結果として舌癖になりやすくなってしまいます。

舌癖の原因⑤|のどの病気

アデノイド・扁桃腺肥大といった喉の病気で鼻呼吸が妨げられ、口呼吸になってしまいます。

その結果、上記の鼻の病気と同じように、舌癖になりやすくなってしまいます。

舌が不適切な位置にある「舌癖」が起こすおそれのある7つの症状

舌が歯を押す力は想像以上に強く、歯列矯正治療で歯に掛ける力をも上回る場合があるほどです。

舌の位置が不適切な場所にある「舌癖」は、以下のような症状と関係があります。

舌癖の症状①|歯並びが悪化する

舌が不適切な位置にあることが引き起こす症状の1つが歯並びの悪化です。

口を閉じた際に上下の歯の間に舌が入り込む時間が長いと、上下の歯列に隙間ができる「開咬」になる可能性があります。

また、舌で歯を前に押す力をかけ続けてしまう場合には出っ歯になる可能性があります。

舌が下側の前歯に下がっている低舌位だと、あごが前に出る「受け口」になる可能性があります。

【関連記事】受け口の矯正治療を大人と子供で解説!受け口の原因、治療費用、保険は効く?

舌癖の症状②|滑舌が悪くなる

舌癖があると、滑舌が悪くなるおそれがあります。

滑舌良くはっきりと発音するには、舌の筋力が重要です。

滑舌が悪くなると特にサ行とタ行が発音しづらくなる傾向があります。    

舌癖の症状③|歯列矯正治療を阻害する

舌癖があると、歯科矯正治療をしても歯が計画した通りに動かしづらくなってしまう場合があります。

また、動かせたとしても、歯を後戻りさせてしまうおそれがあります。

歯科矯正治療の後戻り予防策・リテーナーとは|原因も紹介

舌癖の症状④|顔がたるむ

舌を正しい位置であるスポットに維持できない要因の1つが、舌周辺の筋力不足です。

筋力が不足していると、顔がたるんでしまう場合があります。

舌癖の症状⑤|口呼吸になりやすい

舌の筋力が弱いと、重力に負けて口が開きっぱなしになりやすくなってしまいます。

その結果として、口の中が乾燥して雑菌が繁殖しやすくなってしまい、口臭が発生してしまいます。

また、口呼吸は呼吸が浅く速いため疲れ・倦怠感・副腎疲労につながるおそれがあります。

舌癖の症状⑥|イビキや睡眠時無呼吸症候群につながる

舌癖があると、睡眠中に気道が塞がれてしまいやすくなります。

結果として、イビキや睡眠時無呼吸症候群につながるおそれがあります。

舌癖の症状⑦|食べ物を飲み込みづらくなる

舌を上にあげづらいと食べ物を喉の奥に送るのが困難になってしまいます。

そのため、食べ物を飲み込むのにも苦労することがあります。

【グッズを使わない舌の位置改善トレーニング】舌癖を改善するMFT(口腔筋機能療法)のやり方を解説

舌癖の防止・改善には、MFTと呼ばれるトレーニングが有効です。

舌や口まわりの筋肉を鍛え、正しい飲み込み方、正しい舌の位置を保てるようにすることが重要です。

MFTは歯科医院で教わることができますが、ここでも簡単なMFTを3つご紹介します。

舌癖を改善するトレーニング①|あいうべ体操

「あいうべ体操」とは、みらいクリニック院長の内科医今井一彰氏が考案した口の体操です。

舌・口元の筋肉が鍛えられ、口呼吸・顔のたるみの改善などの効果が期待されます。

舌癖を改善するトレーニング②|リップトレーサー

リップトレーサーというトレーニングでは、まず大きく口を開けます。

舌をできるだけ伸ばして、舌先で上唇をゆっくりとなぞります。

舌癖を改善するトレーニング③|ファットタング・スキニータング

ファットタング・スキニータングというトレーニングでは、舌の形を変えます。

舌をとがらせた後に、平らにすることを繰り返します。

舌癖で乱れた歯並びは歯科矯正治療で治そう

舌癖が原因で歯並びが乱れている場合には、歯科矯正治療だけでなく、MFTをあわせて行うのが一般的です。

舌癖がある状態で歯科矯正治療を行おうとしても、歯が計画通りに動かなかったり、後戻りしてしまうおそれがあるからです。

歯科矯正治療は、マウスピース矯正とワイヤー矯正の大きく2種類にわけられます。

マウスピース矯正は、オーダーメイドの透明なマウスピースを毎日20〜22時間装着し、一定期間で次のマウスピースに交換して歯を動かしていく治療法です。

ワイヤー矯正は、歯の表面にワイヤーを通すブラケットを貼り付け、ワイヤーの張力で歯を動かしていく治療法です。

ワイヤーは、表側に装着する以外にも、目立たないように裏側(舌側)に装着する治療法もあります。

まとめ

力んでいない状態で、舌がどの位置にあるかは重要です。

正しい位置であるスポット以外に舌があると、歯に不適切な力を加えてしまうおそれがあります。

舌が歯を押す力はとても強く、歯列が乱れるほどの影響を与えてしまう場合があります。

乱れた歯列は歯列矯正治療で整えることが期待されますが、舌の位置が不適切なままだと歯が計画通りに動かず治療が長引いたり、歯を動かせても後戻りしてしまう原因となってしまいます。

舌が常にスポットにいくように、MFTで舌や口周りの筋肉をトレーニングすることも不可欠です。

 

<参考>
舌で歯を押す癖・前歯を舌で押す癖の治し方|大阪・新井歯科
舌の正しい位置をチェック!舌トレーニングやMFTについてご紹介 | アリビオ矯正歯科クリニック
口腔筋機能療法(MFT) | 浅草歯科・歯医者≪いしやま歯科・矯正歯科 浅草≫台東区インビザライン・矯正歯科・小児矯正・歯科医院
MFT(口腔筋機能療法)①舌癖とは?|よしかわ矯正歯科 症例
舌癖トレーニング | 尼崎市武庫之荘のインプラント・歯列矯正なら【かい矯正歯科】
舌癖はどうして起こるの?舌癖があるとまずいの?|岡山県玉野市の矯正歯科なら、たにもとゆうこ矯正歯科におまかせ。
舌で歯を触る癖は大人になる前に直そう!原因や有効的な改善方法を解説
舌癖(ぜつへき)って知っていま すか – ラッフルズジャーパニーズクリニック
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知っておきたい「正しい舌の位置」セルフチェック法と舌癖改善トレーニング方法を解説 | 歯列矯正の基礎知識コラム | 東京・エムアンドアソシエイツ矯正歯科
口呼吸について | あいうべ体操 | 福岡のみらいクリニック
あいうべ体操 | 福岡のみらいクリニック
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この記事の監修者

歯科医師

髙橋 義充 先生

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