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2024/11/29

【比較】インプラントと入れ歯の選び方は?併用できる?

目次

歯を失った場合の主な治療法として、入れ歯とインプラントがあります。

 

この記事では、どのような場合に、どちらがより適切な選択肢になるのか、入れ歯とインプラントの違いについて徹底解説します。

インプラントとは

インプラントとは、インプラント体と呼ばれる人工歯根をあごの骨に埋め込み、その上に義歯を被せる治療法のことです。

 

インプラント体は、生体材料のチタンやチタン合金でできており、埋め込む手術をしてから数カ月であごの骨に定着するため、日常生活の中で取り外しを行うことはありません。

入れ歯とは

入れ歯は、正しくは「有床義歯」と呼ばれる、取り外しが可能な義歯のことです。

 

入れ歯には、大きくわけて、歯が一部だけ失われた場合に使用する「部分入れ歯」と、すべての歯が失われた場合に使用する「総入れ歯」の2種類があります。

 

部分入れ歯では、金属のバネを、残っている天然歯にひっかけて固定することが一般的です。

 

一方、総入れ歯では、「床」とよばれる人工歯を載せている部分を、口腔内の粘膜で固定します。

ブリッジとは?インプラントや入れ歯以外の選択肢

失った歯の本数が少ない場合の治療法には、インプラントや入れ歯に加え、ブリッジという選択肢があります。

 

ブリッジ治療では、失った歯の両隣の歯を削り、それら削った歯を固定源として、橋をかけるように、人工歯を被せます。

 

入れ歯よりも安定していること、インプラントと異なり、外科的処置を必要としないことがメリットです。

 

一方で、健康な歯を削ることになるため、その歯に負担がかかってしまうなどのデメリットもあります。

インプラントと入れ歯の条件と適用性

インプラント治療は、外科的処置を必要とするため、患者の骨や健康状態により、適用できないケースがあります。

 

一方で、入れ歯治療は、作製した入れ歯の装着であるため、適用できないことはまれです。

 

しかし、口の中に異物が入れられた際に起こる嘔吐反射が非常に強い場合、入れ歯治療が困難になることもあります。

インプラント治療ができないケース

インプラント治療には外科的処置が伴うため、骨の状態、持病等を含む健康状態、喫煙等の生活習慣等により、治療を適用できない場合があります。

 

1.未成年

骨が成長段階にある未成年は、インプラント治療が骨の成長を阻害する恐れ、また治療途中の骨の成長により、インプラントに不具合が生じる可能性から、インプラント治療を行わない場合がほとんどです。

 

 

2.骨粗しょう症

骨密度の低い骨粗しょう症の場合、インプラントを骨に埋め込み、安定させることが困難なため、インプラント治療が適しません。

しかし、骨粗しょう症のように骨密度が不十分な人は、骨再生治療を行い、インプラント治療が可能になる場合も多くあります。

 

 

3.糖尿病

糖尿病や高血圧の持病がある場合、免疫力が低下しているため、インプラント治療の手術による傷口の回復が遅れる可能性があります。

また、歯周病のリスクが高く、インプラントと歯肉の間に細菌が侵入することで生じる炎症である、インプラント周囲炎を起こしやすい傾向があるため、インプラント治療ができないことがあります。

 

 

4.腎疾患

腎疾患があり、透析治療を受けている場合、免疫力が低下しているため、インプラント治療の手術による感染症のリスクが高く、インプラント治療はあまり適してません。

 

 

5.喫煙

喫煙は、血流を悪化させ、インプラントの人工歯根が顎の骨へ定着することを妨げます。

また、喫煙習慣があると、口腔内の状態を清潔に保てないため、歯周病になりやすい傾向にあります。

これらの理由から、インプラント治療を行う場合は、禁煙を行い、治療後も永続的に禁煙する必要があります。

 

 

以上の5つが、インプラント治療が行えない主なケースですが、インプラント治療の可否は、CT検査、血液検査、心電図検査等の臨床検査、歯周病の検査を行った上で決まり、治療計画が立てられます。

インプラントのメリットとデメリット

インプラントのメリットには、天然歯と同様の使用感、長期的な使用が可能なことが挙げられます。

 

一方で、デメリットは、治療の負担と費用です。

インプラントのメリット

1.天然歯と同様の使用感

インプラントは、天然歯に近い使用感を得られることが大きなメリットです。

 

人工歯根を顎の骨に埋め込み固定するため、インプラントには天然歯とほとんど変わらない咀嚼機能があり、入れ歯のように、硬いものを噛んだときに外れるようなことはありません。

 

また、インプラントは、天然歯と変わらない、自然な見た目が得られます。

 

 

2.長期的な使用が可能

インプラントは、一般的に10年以上使用することができます。

 

定期的なメンテナンスを十分に続けていれば、インプラントの寿命は30年ほどになります。

インプラントのデメリット

1.治療の身体的負担・治療期間

インプラント治療は、外科的治療を必要とするため、身体的負担がかかり、リスクがあります。

 

また、手術後、人工歯根の顎の骨への定着までは、およそ3~6カ月かかり、治療完了までの期間は、入れ歯に比べ長くなります。

 

 

2.治療費用

インプラント治療は、基本的に保険適用外であり、治療費が高額になることがデメリットです。

インプラント1本あたり30~40万円が平均的な金額であり、治療本数が多いと、費用が高額になります。

 

複数本の治療を行う場合には、費用を抑えるため、本記事最後で紹介する、オールオン4という治療方法があります。

 

 

3. 継続したメンテナンスが必要

インプラント治療が終わると、今まで通りに不自由なく過ごせるためケアを怠ってしまうかもしれませんが、インプラントは治療後もセルフケアに加え歯科医院での専門的な定期的なメンテナンスが欠かせません。

入れ歯のメリットとデメリット

入れ歯のメリットは、費用面も含めて、治療の負担が小さいことであり、デメリットは、天然歯とくらべ、違和感をおぼえることもあることです。

入れ歯のメリット

1.治療の負担が小さい

入れ歯の治療は、健康状態に関わらず、ほとんどの人が受けることができます。

治療にかかる期間も比較的短く、治療の負担がインプラントに比べ、小さく、手軽であることがメリットです。

 

 

2.治療費が低額

入れ歯は、保険適用内で作成可能であり、費用が低額なことがメリットです。

3割負担の保険の場合、部分入れ歯で5,000~10,000円、総入れ歯で10,000~15,000円ほどが平均的な金額です。

入れ歯のデメリット

入れ歯のデメリットは、機能面・見た目において違和感があることです。

 

入れ歯は、残っている天然歯に金属のバネをひっかけたり、粘膜に吸着させたりして固定する、インプラントと比べ弱い固定方法です。

そのため、食事中や会話中に外れたり、硬いものを咀嚼しにくかったりという難点があります。

 

また、入れ歯は大型の装置であるため、見た目に違和感が生じることもあります。

【比較】インプラントと入れ歯の選び方と使い方

インプラント治療か、入れ歯治療かを選ぶ際にポイントとなる点を以下の表にまとめました。

【見出し】インプラント 【見出し】入れ歯
【見出し】費用 1本30~40万円(保険適用外) 1万円前後(保険適用内)
【見出し】治療を受けられる人 骨密度や持病、喫煙習慣などにより受けられない場合も ほとんどの人に適用可能
【見出し】使用感 天然歯に近い 違和感をおぼえることも
【見出し】見た目 自然 違和感をおぼえることも
【見出し】手入れ 歯科医院でのメンテナンス

+セルフケア

日常的に洗浄
【見出し】装置寿命 10~30年以上 4~5年

 

インプラントと入れ歯は併用できる?

インプラントと入れ歯の併用は可能ですが、注意点があります。

インプラントと入れ歯の併用のリスク

インプラント治療を行った歯に、部分入れ歯の金具をかける場合は、インプラントに負担をかけないようにする必要があります。

 

また、インプラント治療を施した部分と入れ歯の部分が噛み合うと、インプラントが強く、入れ歯が弱いため、入れ歯の噛み合っている面がすり減りやすくなります。

インプラントと入れ歯の治療手順

インプラントと入れ歯の治療方法は、大きく異なります。

インプラントの治療手順

インプラント治療では、実際に治療を開始する前に術前検査を行います。

 

検査の内容は、CT検査、血液検査、心電図検査等の臨床検査、歯周病の検査などで、インプラントを埋め込む骨の状態や、その他、健康状態を確認します。

 

これらの検査結果をもとに、治療計画が立てられます。

 

インプラントを埋め込む手術には、大きくわけて2回法と1回法の2通りがあります。

 

2回法では、1次手術で歯茎を切開、インプラント体を埋め込み、その後、インプラント体が骨と結合してから2次手術を行います。

 

2次手術では、再び歯茎を切開し、インプラント体と人工歯を接続するための、アバットメントと呼ばれる部品を装着します。

 

2次手術後、歯茎が治癒したのち、人工歯をスクリューやセメント等で固定し、取り付けを行います。

 

1回法は、2回法における1次手術と2次手術を同時に行う方法です。

 

歯茎の切開が1度で済むため患者の負担は軽減できますが、骨や健康状態により、すべての方に適用できるわけではありません。

 

インプラントは、治療完了後にも、定期健診など、歯科医院でメンテナンスを行う必要があります。頻度は、3カ月から半年が一般的です。

入れ歯の治療手順

入れ歯の治療は、患者に合う入れ歯を作成していくことが主です。

 

最初に、印象採得と呼ばれる口腔内の型取りを行い、次に、咬合採得という噛み合わせの確認をします。

 

その後、作製途中の入れ歯をはめる試適を行い、調整をします。

 

最後に、完成した入れ歯を装着し、微調整をします。

 

入れ歯の使用を開始してすぐは、違和感がおおきい場合もありますが、徐々に入れ歯が口腔内になじみ、慣れていきます。

入れ歯からインプラントに変えるための治療法

部分入れ歯からインプラントに変える治療法は、主に2種類です。

 

ひとつめは、補う人工歯の本数と同数のインプラントを埋め込む方法です。補う歯の本数が多い場合、費用が高額になる一方で、他の歯やインプラントにかかる負担が小さいことがメリットです。

 

もうひとつは、インプラントブリッジと呼ばれる方法で、3本以上の歯が連続して失われている際に用いられることがあります。

 

例えば、3つの歯が連続して失われている場合、3つの人工歯が連結されている上部構造を、両端に接続した2つのインプラントで支えます。

 

補う歯の本数に対し、インプラントの本数を少なくできるため、費用を抑えることができる一方、一部分に問題が生じた際に、広範囲に影響が出てしまう可能性があるというデメリットもあります。

 

総入れ歯からインプラントに変える治療に向いた方法として、オールオン4があります。

 

オールオン4は、4本のインプラントで、上顎または下顎のすべての人工歯10本から12本を支える治療法です。

 

また、奥側の2本のインプラントを斜めにすることで、骨が薄い部分を避けて埋入を行える、という特徴があります。

 

さらに、4本ではなく、6本のインプラントを用いるオールオン6という治療法もあります。

インプラントの中にはオーバーデンチャーと呼ばれる治療法も

インプラントオーバーデンチャーとは、インプラントと入れ歯を組み合わせたような治療法です。

 

通常のインプラント治療では、補う人工歯の本数と同じだけ、インプラント体を骨に埋め込む必要があります。

 

一方で、インプラントオーバーデンチャーでは、埋め込んだ2〜4本程度のインプラントに入れ歯を装着することで、多くの人工歯を少ない本数のインプラントで固定できます。

 

オールオン4と異なり、インプラントオーバーデンチャーは、入れ歯部分を患者自身で取り外しすることができます。

 

そのため、日常的に患者自身で手入れすることができますが、並行して、通常のインプラント同様に歯科医院でのメンテナンスも必要です。

 

 

<参考>

インプラント – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020

インプラントとは | ブリッジ・入れ歯との比較/治療の流れ – 志木の歯医者・ファミリー歯科医院

インプラントの治療期間はどれくらいかかる? 治療の流れと期間の目安 | 武蔵小山(目黒)の歯医者・歯科 貴子デンタルクリニック

入れ歯とは | 東京都台東区浅草の総入れ歯

インプラントとは?メリット・デメリットや治療の流れも紹介 | アイデンタルクリニック

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ブリッジ治療 | さいとう歯科医院|ホワイトエッセンス加盟院

歯のブリッジ治療の費用/メリット・デメリット|水戸・古木歯科医院

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