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2023/11/30

ヘッドギア矯正はもう古い?大人と子供のヘッドギアの効果、装着期間、着脱方法を解説!

目次

ヘッドギアは、上顎前突(出っ歯)の治療に使われる矯正器具です。

歯と頭部を繋いで矯正力をかけるため目立ちやすく、ヘッドギアを初めて見た人は「こんなものを着けるの?!」とそのビジュアルに驚く人も多いでしょう。

今回は、ヘッドギアとは何か、大人と子供の効果の違い、装着期間、着脱方法などを徹底解説します!

  • ヘッドギアでの矯正は古い?
  • ヘッドギアでの矯正は痛い?
  • 寝る時も付けたまま?
  • ヘッドギアを付けたまま寝返りできる?

こんな疑問にもお答えしますので、参考にしてください!

矯正に使われる「ヘッドギア」とは

ヘッドギアは、上顎前突(出っ歯)の治療に使われる矯正装置です。自分でつけ外しのできる装置で、子供と大人の矯正の両方で使われることがあります。

  • ヘッドギアの矯正効果
  • ヘッドギアの構造
  • ヘッドギアを矯正で使う場合の適応年齢
  • ヘッドギアを矯正で使う場合の装着期間
  • ヘッドギアの1日の装着時間

について、ひとつずつ解説します。

ヘッドギアの矯正効果

ヘッドギアは子供と大人で期待できる効果が異なります。

  • 子供のヘッドギアの効果→上顎の成長をコントロールして出っ歯を改善・予防できる
  • 大人のヘッドギアの効果→永久歯を動かして出っ歯を改善できる

それぞれを詳しく確認していきましょう。

子供のヘッドギアの効果|上顎の成長をコントロールして出っ歯を改善・予防できる

子供の矯正でヘッドギアを使う場合は、上顎の成長を抑制して出っ歯を改善・予防する効果が期待できます。

上顎が成長するタイミングでヘッドギアを使うと、出っ歯を悪化させる上顎の過成長を抑えられるからです。

 

出っ歯は顔貌にも影響を与えることがあり、それをコンプレックスに感じる子供もいます。そのため、ヘッドギアで子供のうちに出っ歯を予防することには大きな意味があると言えるでしょう。

大人のヘッドギアの効果|永久歯を動かして出っ歯を改善できる

大人の矯正でヘッドギアを使う場合は、以下のような効果が期待できます。

  • 奥歯を固定しながら前歯だけを引っ込める
  • 奥歯を後ろに移動させて前歯を引っ込めるスペースを作る

ヘッドギアで得られる効果が子供と違うのは、大人は成長期が終わっているため子供のように上顎の大きさをコントロールする効果が期待できないからです。

大人の歯列矯正では、インプラントアンカーという矯正装置でもヘッドギアと同じような効果が得られる場合があります。

そのため、見た目や確実性などの理由からヘッドギアの代わりにインプラントアンカーを用いることも多くなっていますが、症例、歯科医師の計画、判断によってはヘッドギアを使う場合もあります。

ヘッドギアの構造

ヘッドギアは、以下の3つのパーツからできています。

  • ヘッドキャップまたはネックストラップ

歯を後ろに引っ張るためのゴムのベルトです。

首の後ろか後頭部を通るように装着します。

 

  • フェイスボウ

ヘッドキャップまたはネックストラップと歯に固定するバンドを繋ぐ金属の棒です。口元を真横に横切るように装着します。

歯に繋がるインナーボウとヘッドキャップ、またはネックストラップにつながるアウターボウからなります。

 

  • バンド

前から数えて6番目の歯に固定する金属の輪です。

ヘッドギアの中で唯一、自分でつけ外しできないパーツです。

 

ヘッドギアは、これら3つのパーツを繋ぐことで歯を後方に引っ張る力をかける構造になっています。

ヘッドギアを矯正で使う場合の適応年齢

ヘッドギアの対象年齢は目的によって変わります。目的ごとの適応年齢の目安は、以下の通りです。

【見出し】目的 【見出し】適応年齢の目安
子供の矯正(上顎の成長抑制) 8〜10歳(小学校3〜4年生)くらい。

顎の成長や生え変わりのスピードによって前後します。

大人の矯正(奥歯の固定や歯の後方移動など) 特になし。適応は症例や歯科医師の判断によります。

子供のヘッドギアの適応年齢が限られているのは、ヘッドギアの効果が期待できる期間が限定されているからです。

小学5年生くらいになり、前から数えて7番目の歯(第二大臼歯・12歳臼歯)が生え始めると、ヘッドギアによる上顎の成長抑制効果が低くなります。

そのため、上顎の成長抑制を目的とした子供の矯正でヘッドギアを使う場合は、使用するタイミングが重要です。

ヘッドギアを矯正で使う場合の装着期間

出っ歯の程度や年齢などによって異なりますが、6〜12ヶ月以上使用するのが一般的です。

治療目標に到達したと歯科医師が判断したら、ヘッドギアの装着は終了となります。

ヘッドギアの1日の装着時間

ヘッドギアは1日10〜12時間以上装着する必要があります。食事、歯磨き、入浴、運動時以外は就寝時も付けたままです。

ヘッドギアは自分でつけ外しできる装置なので、装着時間の管理を自分でしなくてはいけません。装着をサボると効果が出ないので注意しましょう。

【関連記事】アンカースクリューとは?矯正効果、必要な人、メリット、デメリットを解説!

ヘッドギアの付け方と外し方

ヘッドギアは装着時間を守り、正しくつけ外しすることが大切です。基本的な付け方と外し方を解説します。

上手くできない場合は、かかりつけの歯医者に相談してみましょう。やり方を直接指導してもらえます。

ヘッドギアの使い方①|付け方

ヘッドギアは、以下の順番で装着します。

  1. インナーボウをバンドに差し込む
  2. ヘッドキャップまたはネックストラップをアウターボウとゴムで繋ぐ

ヘッドギアの付け方①|インナーボウをバンドに差し込む

フェイスボウの内側の針金がインナーボウです。鏡を見ながら、インナーボウの先を奥歯に固定してあるバンドのチューブに差し込みましょう。

チューブは、バンドの側面(頬側)に着いています。左右同時に差し込むのではなく、片方ずつ差し込むのがポイントです。

ヘッドギアの付け方②|ヘッドキャップまたはネックストラップをアウターボウとゴムで繋ぐ

フェイスボウの外側の針金がアウターボウです。ヘッドキャップなら後頭部、ネックストラップなら首に回し、アウターボウとゴムで繋ぎましょう。

歯に固定したフェイスボウが外れないように、中心部を片方の手で押さえながら装着します。

ヘッドギアの外し方

ヘッドギアを外す時は、付ける時と逆の順番で外します。

  1. ヘッドキャップまたはネックストラップをアウターボウから外す
  2. インナーボウをバンドから抜く

ヘッドギアの外し方①|ヘッドキャップまたはネックストラップをアウターボウから外す

フィスボウの中心部を軽く手で押さえながら、ヘッドキャップまたはネックストラップをアウターボウから外します。

ヘッドギアの外し方②|インナーボウをバンドから抜く

両手でフェイスボウの左右を持ち、真っ直ぐ前方に引っ張ってバンドからインナーボウを抜き取ります。

ゆっくりと行い、外れにくい場合は少しだけフェイスボウを左右に動かしてみましょう。

上下に大きく揺らすとバンドが緩んだり外れたりするので注意です。

ヘッドギアの矯正でよくある疑問

ヘッドギアを使うと言われると、以下のような疑問が浮かびます。

  • ヘッドギアでの矯正は古い?
  • ヘッドギアでの矯正は痛い?
  • 寝る時も付けたまま?
  • ヘッドギアを付けたまま寝返りできる?

このような疑問にお答えします。

ヘッドギアでの矯正は古い?

「ヘッドギアでの矯正は古い」と思う人もいます。

これは、後発の矯正用インプラントや矯正用マウスピースを使ったアプローチで、ヘッドギアと同じような効果を得られる場合があるからだと考えられます。

しかし、ヘッドギアを使った矯正は他の矯正器具と比べて歴史があるオーソドックスな矯正方法だというだけで、廃れてしまった古い方法ということではありません。

上顎骨の成長のコントロールを目的とした場合、矯正用インプラントでは役割を果たせないため、ヘットギアが使用されます。

どの矯正装置にも一長一短があります。例えば、矯正用インプラントは外科手術が必要ですし、矯正用マウスピースは20〜22時間以上の装着が必要です。

その点ヘッドギアは外科手術不要、装着時間は10〜12時間と矯正用マウスピースよりも短く済みます。

そのため、ヘッドギアは他の矯正装置よりもメリットが大きい場合は採用される可能性があり、廃れた古い方法でもありません。

ヘッドギアでの矯正は痛いですか?

歯に力をかけるため、ヘッドギアを使い始めてから3〜5日くらいは奥歯が痛いと感じることがあります。

基本的にヘッドギアによる痛みは、時間の経過とともに少なくなるものです。我慢できない痛みがある、5日を過ぎても痛みが続くような場合は歯科医師に相談しましょう。

力を強く感じて痛いからといって、ヘッドキャップやネックストラップの下にタオルを挟むのは止めましょう。計算通りの力がかからなくなり、計画通りに効果が出ません。

寝る時もヘッドギアは着けたままですか?

ヘッドギアは食事、歯磨き、入浴、運動時以外は、寝る時も含めて装着する必要があります。

「寝苦しいから着けない」「着けるのが面倒」などと言ってサボると、装着時間が短くなって効果が出ません。寝る時もヘッドギアを装着しましょう。

ヘッドギアを付けたまま寝返りできますか?

ヘッドギアをつけると寝返りはしにくくなります。しかし、1週間ほどで慣れて寝返りも打てるようになることがほとんどです。始めのうちだけ頑張りましょう。

どうしてもヘッドギアが気になって眠れない場合は、歯科医師に相談しましょう。

ヘッドギアは着けなければ効果が得られません。使えない場合は別の方法に切り替えた方がいいこともあるので、まずは相談しましょう。

まとめ

ヘッドギアは、上顎前突(出っ歯)の治療に使われる矯正装置です。1日10〜12時間以上、6〜12ヶ月以上使用するのが一般的です。

ヘッドギアの効果は大人と子供で以下のような違いがあります。

  • 子供の場合→上顎の成長をコントロールして出っ歯を改善・予防する
  • 大人の場合→永久歯を動かして出っ歯を改善する

自分でつけ外しできる装置なので、ヘッドギアでの矯正を成功させるには使用方法を守り、装着時間を管理することが重要です。

歯科矯正治療で使う場合は、歯科医師の指示に従って使用方法を守りましょう。

 

 

 

<参考>
ヘッドギア装置について|いいだ歯科・矯正歯科|吹田市佐井寺の歯医者
滋賀県草津市南草津のいしかわ矯正歯科の歯列矯正治療について
ヘッドギアと矯正用アンカースクリュー
大人の矯正症例
大人で始める歯の矯正
子供の矯正で使うヘッドギアの効果とは?寝返りがしづらい・口が痛い時の対処法も解説 – 初台の歯医者 岡歯科医院【可能な限り削らない・抜かない】
歯科矯正開始前 検討中です。
インビザラインの遠心移動とは?メリットや遠心移動が必要な歯並び | 北戸田の歯医者

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この記事の監修者

歯科医師

髙橋 義充 先生

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