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2024/06/18
正中線のずれはどのくらいなら許容範囲?噛み合わせへの影響と治し方を解説
目次
正中線のずれの許容範囲
正中線とは上下の歯の中心にある線で左右の1番目の歯の間の線のことをいいます。
この正中線がずれていることを正中不一致といいます。
2mm以上ずれると一般の人でもずれていると気付くことが多いです。
しかし、正中線のずれが2mm以下の場合は歯科医師などの専門職でなければ気付きにくいケースが多いです。
このことから、正中線のずれの許容範囲は2mm以下といえるでしょう。
また、正中線がずれていても治療をせずそのままにしている人もいます。
ハリウッド俳優なども正中線のずれをそのままにしている方もいるので、審美的な面で気になるかどうかは本人次第ともいえるでしょう。
しかし、自分でどのくらいずれているのかを測るのは難しいかもしれません。
正常の場合は上下の正中線が1本線につながるため、つながらない場合には正中線がずれていると考えても良いでしょう。
正中線がずれる理由
正中線がずれるのにはさまざまな理由があります。
正中線のずれは先天性のものだけでなく後天性のものもあるため、ずれる理由を知っておくことで正中線のずれを予防できるかもしれません。
正中線がずれる理由は主に次の3つです。
歯の大きさが違う
本来、人の歯は正中線を中心にして左右対称となっています。
しかし、人によっては歯の全ての大きさが左右非対称だったり、数本だけ大きいあるいは小さい歯があったりします。
特に、矮小歯の場合は乳歯から永久歯に生え変わるときに歯の大きさが変わってしまうため、歯の大きさが左右非対称であった結果として正中線がずれてしまうのです。
歯の本数が違う
歯の本数が正中線を中心に左右異なることで、正中線がずれてしまいます。
例えば、生まれつきあるいは虫歯、た歯周病、けがにより歯を失ったことによって欠損歯がある場合には歯の本数が異なるため正中線がずれてしまいます。
他にも乱ぐい歯など歯がでこぼこしていたり、八重歯があったりすると、歯の本数は正中線を中心に左右対称ですが、歯の生えている位置が左右非対称となるため、正中線がずれる原因となるのです。
顎の骨がゆがんでいる
顎の骨がゆがんでいると正中線がずれてしまいます。特にゆがみやすいのが下顎です。
生まれつきの顎の骨格の問題はもちろんですが、ほかにも頬杖をしたり、片側ばかりで噛んだりと日常生活の影響により顎の骨がゆがみやすくなります。
そのため、下の歯の正中線だけが大幅にずれるというケースもでてくるのです。
正中線のずれを放置するとどうなる?
正中線のずれを放置すると、日常生活に様々な影響を引き起こす可能性があります。
正中線のずれを放置することで起こり得るのは次の通りです。
顎関節に影響を及ぼす
正中線がずれている原因の1つは顎の骨のゆがみです。
もしも顎の骨が原因で正中線がずれていた場合には放置することで、顎の関節に影響を及ぼす可能性があります。
正中線がずれたまま放置すると、顎の関節がうまく使えず、食べ物が噛めなくなったり発音ができなくなったりすることがあります。
さらに放置すると顎関節症になるリスクも高まるでしょう。
食事に影響を及ぼす
歯並びが悪く正中線がずれる方は咬み合わせに問題がある場合があり、咬み合わせが悪くない人と比べるとしっかりと食べ物を噛めません。
そのため、硬いものや弾力があるものが噛みにくくなり、食事内容に影響が出るでしょう。
また、しっかりと噛まずに飲み込んでしまうので、胃に負担をかけてしまい消化不良となるリスクも高まります。
体の不調につながることも
正中線がずれたまま生活することで、顎に負担がかかるため、その結果として顎のみならず全身の筋肉に影響を及ぼします。
例えば、正中線がずれたまま食事を続けると物を噛むときに使用する側頭筋が疲弊するため、頭痛につながります。
ほかにも、正中線のずれが顎のゆがみであった場合には首の両側にある広頸筋に負担がかかるため、肩こりにつながるのです。
さまざまな筋肉に影響をした結果、全身の体調不良につながってしまうのです。
正中線のずれの治療方法
正中線のずれは治療で治せます。しかし、正中線のずれはどうやって治療をするのか分からないという方もいるかもしれません。
ここからは正中線のずれの治療方法について解説します。
歯列矯正
歯列矯正によって正中線を治すことができます。
正中線を治すために行う歯列矯正はワイヤー矯正とインビザラインになります。
ワイヤー矯正やインビザラインを使って上下の正中線の位置を整えていきます。
しかし、歯科矯正で正中線を治せるのは正中線がずれている原因が乱ぐい歯や叢生などの歯並びであった場合です。
正中線のずれが顎の骨に原因がある場合や、複数の矮小歯によって正中線がずれている場合には歯並びを矯正しても正中線のずれが改善しない場合があるということを念頭においておきましょう。
手術が必要なケースもある
正中線のずれの原因が顎の骨である場合には、手術によって顎の骨のゆがみを整えることが必要なケースもあります。
顎の骨を整えてから矯正治療をすれば、顎の骨のゆがみが原因で正中線がずれていた人でも、正中線のずれを治せるでしょう。
ただし、自分の正中線のずれが顎の骨によって起こっているものかを素人では判断することは難しいので、歯科医に相談することをおすすめします。
まとめ
正中線のずれが2mm以上になった場合には歯並びの大きなずれや骨格の歪みが原因で咬み合わせに影響が出る恐れがありますので気になる方は歯科医院を受診してみてください。
治療をせずに放置すれば、顎関節症や肩こり、頭痛、消化不良など歯にとどまらず全身の体調不良を引き起こしかねません。
正中線のずれは歯科矯正で治療できますが、顎の骨が原因であった場合には、歯科矯正のみでは治せません。
正中線のずれは素人が見た目のみで判断することは難しいため、自身の正中線のずれは治療の必要があるのか、矯正治療のみで治せるのかなどを歯科医院で相談してみると良いでしょう。
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