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2024/05/28
子供の歯並びが悪い原因は?歯並びを良くする方法、自然に治るのかを解説!
目次
「子供の歯並びがガタガタしていて悪い…」
「生え変わりが始まったけど、顎が小さいから歯並びが悪くなりそう…」
「子供の歯並びって自然に治るの?」
「子供はいつから矯正をはじめるべきなの?」
こんなことが気になっていませんか?
子供は顎の成長や歯の生え変わりによって歯並びが大きく変化するため、歯並びが悪くても自然に治るケースと治らないケースがあります。
今回は、子供の歯並びが悪い原因、歯並びを良くする方法、自然に治る歯並びと治らない歯並び、いつから歯科矯正治療を始めるべきかについて詳しく解説します!
子供の歯並びが悪い8つの原因
歯並びは以下のような原因があります。
- 顎が小さい
- 上下の顎の大きさのバランスが悪い
- 生え変わりの時期や順番がズレた
- 唇や舌などに生まれつきの疾患がある
- 過剰歯がある
- 先天性欠如がある
- 癒着歯がある
- 悪習癖がある
子供の歯並びは複数の原因が絡み合って悪くなっている場合もあり、治す際には原因をしっかりと見極めることが大切です。
子供の歯並びが悪い原因①|顎が小さい
子供の歯並びが悪くなる原因の一つ目は、顎が小さいことです。
顎の大きさが小さいと歯が生えるスペースが足りなくなるため、歯並びがガタガタになる、出っ歯や受け口になるなど、歯並びが悪くなる可能性が高くなります。
子供の顎が小さくなる原因は、遺伝、食生活、舌癖、口呼吸などです。
これらは子供の顎の正常な発育を妨げることがあり、顎の成長不足による歯並びの悪化を招くことがあります。
子供の歯並びが悪い原因②|上下の顎の大きさのバランスが悪い
上下の顎の大きさのバランスが悪いと、出っ歯や受け口などを引き起こすことがあります。
例えば、上顎が大きくて下顎が小さいと出っ歯、上顎が小さくて下顎が大きいと受け口になるようなイメージです。
上下の顎の大きさのバランスも顎の大きさが小さくて歯並びが悪くなるのと同じように、遺伝、食生活、舌癖、口呼吸などで悪くなることが多いです。
子供の歯並びが悪い原因③|生え変わりの時期や順番がズレた
虫歯や外傷などによって早くに乳歯を失うと、生え変わりの時期や順番がズレて歯並びが悪くなる可能性があります。
子供の歯は、永久歯が生える順番に合わせて生え変わります。
しかし、歯茎の中で生え変わる永久歯の準備ができる前に乳歯が抜けてしまうと、両隣にある歯が永久歯が生えてくるはずの隙間を埋めてしまい、歯並びが悪くなるのです。
反対に、乳歯がいつまでも抜けずに残っている場合も、子供の歯並びが悪くなることがあります。
この場合、乳歯が抜けないまま永久歯が生えて歯並びがガタガタになったり、歯列が二重になったりする可能性があります。
子供の歯並びが悪い原因④|唇や舌などに生まれつきの疾患がある
唇や舌などに生まれつきの疾患がある場合は、歯並びが悪くなることがあります。
歯並びに影響を与える可能性がある生まれつきの疾患は、舌小帯短縮症、口唇裂、口蓋裂が代表的です。
舌の動きが悪い、歯並びのベースとなる歯茎が割れているなどして、顎の発育や歯の生え方に影響を与えるため歯並びが悪くなりやすいです。
子供の歯並びが悪い原因⑤|過剰歯がある
生まれつき歯の本数が多いことを「過剰歯がある」と言います。
生えてくる歯の本数が通常よりも多いので、顎のスペース不足によって歯並びが悪くなることが多いです。
また、上の前歯に過剰歯がある場合は、歯と歯の間に大きな隙間ができてすきっ歯になるケースもあります。
子供の歯並びが悪い原因⑥|先天性欠如がある
生まれつき歯の本数が少ないことを「先天性欠如がある」と言います。
生えてくる歯の本数が通常よりも少ないため、顎のスペースが余ってすきっ歯になったり噛み合わせの異常を引き起こしたりすることがあります。
また、上下の歯列の中心(正中)が左右にズレて審美面に影響を与えることもあります。
子供の歯並びが悪い原因⑦|癒着歯がある
癒着歯とは、2本以上の歯がくっついている歯です。
乳歯にも永久歯にも起こることがあります。
乳歯が癒合歯の場合は、後から生える永久歯は癒合歯になるか先天性欠如になる可能性があります。
そのため、歯の生え変わりや永久歯の本数の影響で永久歯の歯並びも悪くなるリスクが高いです。
子供の歯並びが悪い原因⑧|悪習癖がある
悪習癖とは、指しゃぶりの晩期残存、舌癖、口呼吸、頬杖、食事の時の片噛みなどのことです。
歯列に変な力をかけてしまうことで、歯並びに影響を与えます。
歯は内側から舌で歯列を押し広げる力と、外側から唇で歯列を押さえ込む力のバランスが取れているところに並びます。
悪習癖は歯列の内側と外側からかかる力のバランスを乱して、歯並びを悪くすることがあるのです。
【歯並びのタイプ別】子供の歯並びを良くする方法
悪い子供の歯並びを良くするには、歯科矯正治療を行って顎の大きさや歯並びを整える必要があります。
子供のうちから歯科矯正治療を行う場合は、上下の顎の成長や歯の生え変わりのタイミングに合わせて治療を行うことが多いです。
歯並びのタイプによって治療を開始する時期の目安がやや違うので、ひとつずつ確認してみましょう。(※)
歯並びのタイプは、以下の7つが代表的です。
- ガタガタの歯並び(叢生・八重歯)
- 出っ歯(上顎前突)
- 受け口(下顎前突)
- 口ゴボ(上下顎前突)
- 開咬(オープンバイト)
- 過蓋咬合(ディープバイト)
- 顎偏位(顎が曲がっている)
※歯科医師の治療方針、症例、使用する矯正器具などによって治療開始時期は前後する場合があります。
治療開始時期には個人差があるので、適切なタイミングを知るには歯科医師の審査・診断が必要です。
子供の歯並びの治し方①|ガタガタの歯並び(叢生・八重歯)
歯並びがガタガタしている人、八重歯がある人は、8〜10歳頃から治療を始めることが多いです。
ガタガタの歯並びは、歯の大きさに対して顎が小さいことで起こります。
そのため、歯の生え変わりが本格的に始まる8〜10歳頃に顎の拡大を行い、永久歯を並べるスペースを補うための治療を行います。
顎の大きさが整ったら、10〜12歳頃の永久歯が生え揃うタイミングで仕上げの歯科矯正治療を行うのが一般的です。
8〜10歳の段階で顎の大きさに問題がない場合は、永久歯が生え揃う10〜12歳くらいから治療を始めることもあります。
子供の歯並びの治し方②|出っ歯(上顎前突)
出っ歯の場合は、8〜10歳くらいから治療を始めることが多いです。
出っ歯は上顎が小さいことが原因で起こります。
そのため、子供の矯正で出っ歯を治す場合は、上顎の成長を抑えながら下顎の成長を促すための治療を行います。
顎の大きさが整ったら上顎の成長が落ち着く11〜13歳頃まで経過観察を行い、最終的な噛み合わせと歯並びの治療をして終了です。
子供の歯並びの治し方③|受け口(下顎前突・反対咬合)
受け口の場合は、下顎の成長期に合わせて6〜8歳頃から治療を始めることが多いです。
受け口は下顎が大きくて出ている、もしくは上顎が小さくて引っ込んでいることで起こります。
そのため、原因や両親の遺伝的要因などを考慮して、下顎の成長を抑えたり上顎の成長を促したりする治療を行います。
下顎の成長期は20歳くらいまで続く人もいて、上顎よりも長いです。
6〜8歳頃に顎の大きさを整えた後は下顎の成長が落ち着くまで経過観察を行い、12〜16歳頃に再び噛み合わせと歯並びを整える治療をします。
子供の歯並びの治し方④|口ゴボ(上下顎前突)
口ゴボは、歯科で「上下顎前突」と呼ばれます。
上下の顎が大きいことで口元が前に張り出したり、上下の歯が斜め前に向かって生えていることが原因で起こります。
原因が顎の骨の大きさにある場合は、歯の生え変わりが本格的に始まる8〜10歳頃から上下の顎の大きさをコントロールする治療を行います。
その後、永久歯が生え揃う10〜12歳頃に仕上げの歯科矯正治療をして終了です。
歯の生え方だけが原因の場合は、永久歯が生え揃う10〜12歳くらいから永久歯の歯の向きを整える歯科矯正治療を始めることが多いです。
子供の歯並びの治し方⑤|開咬(オープンバイト)
開咬の場合は、6〜8歳頃から口周り悪習癖を治すための治療(MFT・筋機能訓練)を始めることが多いです。
開咬を治すには、舌を前に突き出すような癖や口呼吸などの口周りの悪習癖をトレーニングで改善することが大切です。
比較的早めの時期から悪習癖の改善指導を行い、悪習癖の改善状況を診て矯正装置を装着するタイミングを判断するのが望ましいとされています。
子供の歯並びの治し方⑥|過蓋咬合(ディープバイト)
過蓋咬合は、8〜10歳頃から治療を始めることが多い症例です。
上顎が大きくて下顎が小さいことが原因で起こります。
過蓋咬合を改善するには、出っ歯の治療と同じように上顎の成長抑制や下顎の成長促進を行って、上下の顎のバランスを整えることが大切です。
8〜10歳頃に上下の顎のバランスを整える治療をした後は、上顎の成長が落ち着く11〜13歳頃に永久歯の歯科矯正治療をします。
子供の歯並びの治し方⑦|顎偏位(顎が曲がっている)
顎偏位で顎が曲がっている場合は、上下の顎の成長期に合わせて8〜10歳頃から治療を行うことが多いです。
顎偏位の原因は、頬杖、遺伝、噛み合わせのズレなどです。
これにより、左右の顎の長さにずれが生じて骨格的な顎の変形を起こす場合があります。
顎偏位を治すには、原因を見極めてアプローチを行う必要があります。
上下の顎の成長が落ち着くまで経過観察をすることになるため、治療期間は比較的長くなります。
子供の歯並びが自然に治ることはあるの?
ネット上では知恵袋で「子供の歯並びが自然に治ることはありますか?」という質問を見かけます。
子供の歯並びには、成長の過程で自然に治るものと歯科矯正治療をしないと治らないものがあるため、個人の歯の状態によると言えます。
自然に治る可能性がある子供の歯並び
子供の歯並びの中で自然に治る可能性があるのは、成長、発育、生え変わりの過程で以下のようになっている歯並びです。
- 乳歯・永久歯の前歯が八の字に生えている
- 乳歯列の段階ですきっ歯になっている
- 乳歯と永久歯がある混合歯列の段階ですきっ歯になっている
- 乳歯の生える向きが原因の反対咬合(遺伝的、骨格的な反対咬合は除く)
このような場合は歯の生え変わりによって自然に歯並びが改善される場合があるので、経過観察となることが多いでしょう。
ただし、顎の発育不全、過剰歯、先天性欠如、上唇小帯の位置異常、遺伝的要因などの歯並びを悪くする問題が隠れている可能性はゼロではありません。
経過観察をしても大丈夫かどうかは、歯科医師の診査・診断が必要です。
歯科矯正治療が必要な子供の歯並び
自然に治る可能性が低い歯並びは、以下のような歯並びです。
- 永久歯が埋まっていて生えてこない
- 過剰歯・先天性欠如によって歯並びが悪くなっている
- ガタガタの歯並び(叢生・八重歯)
- 出っ歯(上顎前突)
- 受け口(下顎前突)
- 口ゴボ(上下顎前突)
- 開咬(オープンバイト)
- 過蓋咬合(ディープバイト)
- 顎偏位(顎が曲がっている)
このような歯並びは自然に治ることはありません。
虫歯、歯周病、顎関節症のリスクが高いため、できれば歯医者に相談して歯科矯正治療を検討しましょう。
子供の歯並びが悪い場合はいつからトレーニングや歯科矯正治療をするべき?
子供の歯並びを改善するためのトレーニングや歯科矯正治療を始める時期は、歯並び、子供の顎の成長、歯の生え変わりによって異なります。
早いと6歳頃から治療を開始するケースもあるので、5〜6歳くらいに一度歯医者を受診しておくと安心です。
まとめ
子供の歯並びは、上下の顎の大きさ、歯の生え変わり、歯の本数や形態、唇や舌などに何かしらの問題が起こって悪くなります。
子供の歯並びが悪くなる原因はさまざまです。
基本的には子供のうちから歯科矯正治療を行い、顎の成長や生え変わりをサポートしてあげるといいでしょう。
ただし、子供の歯並びは歯の生え変わりや成長の過程で一時的に歯並びが悪くなるケースがあります。
この場合は歯科矯正治療が必要なく、永久歯が終わるまで経過観察をすることが多いです。
原因を見極めて適切なタイミングで歯科矯正治療を開始するために、5〜6歳頃に一度歯医者を受診しておくといいでしょう。
〈参考〉
子供の歯並びが悪い?!歯列不正の原因や改善方法 | 【公式】キレイライン矯正
子どもの顎が小さいと歯並びに影響はある?リスクや矯正方法を解説
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この記事の監修者
歯科医師
髙橋 義充 先生
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