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2024/05/25
指しゃぶりはいつまでするの?原因と特徴、歯並びへの影響、やめさせ方を解説!
目次
指しゃぶりは、ほとんどの赤ちゃんが行う動作です。基本的には子供が成長するのと同時に指しゃぶりをすることはなくなります。
しかし、中には3歳を過ぎて小学生、中学生になってもふとした時や寝る時に指を咥えているという場合もゼロではありません。
今回は、指しゃぶりはいつまで続くのか、原因、特徴、歯並びへの影響、やめさせ方を解説します!
子供の指しゃぶりとは
子供の指しゃぶりは「原始反射」という本能から起こるものです。
原始反射とは、赤ちゃんが生きるために無意識に行う筋肉の動きです。
いくつかの種類があり、指しゃぶりは赤ちゃんがミルクを飲むために「口の近くにあるものを吸う」という原始反射によって起こります。
2〜4ヶ月頃から1歳頃までのほとんどの子供が自然に指しゃぶりを行います。
赤ちゃんの指しゃぶりは、身の回りのものの状態を確認したり気持ちを落ち着かせるために行われると言われています。
また、歯が生え始める時期には歯茎がムズムズする感覚を和らげるために行う場合もあり、赤ちゃんのメンタルを支えるために大切な行動です。
指しゃぶりはいつまでして大丈夫?
指しゃぶりは、基本的に3歳くらいまではしていても問題ありません。
原始反射により本能的に行っているもので、3歳くらいまでは原始反射の名残として指しゃぶりをすることが多いからです。
指しゃぶりの習慣は3歳頃までに15%くらいにまで減少します。(※)
身の回りの物の情報収集、安心感を得るという役割もあるので、3歳くらいまでは無理にやめさせなくても大丈夫です。
ただし、3〜5歳くらいになっても指しゃぶりがなくならないようなら、指しゃぶりを卒業するためのアプローチをした方がいいでしょう。
3歳を過ぎても指しゃぶりを続けている場合は、子供が何らかのストレスを抱えている可能性があります。
3歳以降の指しゃぶりは、歯並びや成長に悪い影響を与える可能性があります。
習慣化すると小学生や中学生、大人になっても癖として残り続けることもあるので注意が必要です。
※出典:乳幼児における指しゃぶりの開始と習慣化にかかわる要因 Factors Associated with the Onset and Cessation of the Finger Sucking Habit in Infants and Toddlers
【年齢別】指しゃぶりをする子の原因と特徴
指しゃぶりをする子供の原因と特徴について、年齢別に解説します。
指しゃぶりをする子の原因と特徴①|0歳の場合
0歳のうちは、原始反射という本能で指しゃぶりを行います。
赤ちゃんはお腹の中にいる時から、母体を通して外部から強い刺激を受けた時、母親がストレスを受けた時など、精神的な不安を感じた時に指しゃぶりをすることが確認されています。
大人であれば、運動をしたり誰かに話を聞いてもらうなど、指しゃぶり以外でストレスを解消する術を知っています。
しかし、赤ちゃんは感覚も精神も未発達であるため、ストレスを解消する方法を知りません。
指しゃぶりは、赤ちゃんができるストレス解消法のひとつなのです。
指しゃぶりをする子の原因と特徴②|1〜3歳の場合
1〜3歳頃までの指しゃぶりは、0歳のときと同じく原始反射によって行われます。
身体能力が上がり自我が芽生えたりしてくる頃なので、0歳の子供と比べて指しゃぶりをする頻度は少なくなりますが、まだ正常の範囲内です。
指しゃぶりをする子の原因と特徴③|3〜6歳の場合
3歳を過ぎると、身体を動かしてストレス発散したり友達との付き合いが増えたりして、指しゃぶり以外の刺激に意識が向きやすくなります。
そのため、指しゃぶりをする頻度は3歳までと比べてさらに少なくなります。
ただし、指しゃぶりをする子供がゼロになるわけではありません。
3〜6歳は幼稚園や学校での生活、家族以外の人との接触が増えることによってストレスを感じやすい時期です。
ストレス解消を指しゃぶりに頼ってしまうケースもあり、この場合は指しゃぶりが癖となって習慣化してしまうことがあります。
3〜6歳に指しゃぶりが習慣化している場合は、歯並びや成長に悪い影響が出る可能性があります。
こうなると指しゃぶりは「悪習癖」となるため、改善するために何らかのアプローチを行うのが望ましいです。
指しゃぶりをする子の原因と特徴④|小学生・中学生以上の場合
小学生や中学生以上になってから行う指しゃぶりは、ストレス解消や集中力アップのために行われることが多いです。
癖として指しゃぶりが定着している可能性が高く、無意識に行っているため本人に指しゃぶりをしていることを自覚してもらう必要があります。
だたし、指しゃぶりを続けることの裏にチック症やトゥレット症などの病気が潜んでいる場合があります。
チック症やトゥレット症は心理的な病気と勘違いされることがありますが、体質的な病気です。
小児科や小児神経科・児童精神科で診察を受けることができるので、気になる場合は相談してみましょう。
指しゃぶりが歯並びや成長に与える影響
3歳を過ぎても指しゃぶりが残っている場合は、歯並びや成長に以下のような影響を与える可能性があります。
- 歯並びや噛み合わせが悪くなる
- 口呼吸になる
- 顔貌に影響が出る
- どのような影響があるのか詳しく解説します。
指しゃぶりによる影響①|歯並びや噛み合わせが悪くなる
指しゃぶりが続くと、歯並びや噛み合わせが悪くなる可能性があります。
歯並びは歯にかかる力のバランスで決まります。
基本的には、唇で歯の外側からかかる力と舌で歯の内側からかかる力のバランスが影響することが多いです。
しかし、指しゃぶりをしている場合は指に吸い付く時に唇や舌の異常な力に加えて、指の圧も歯に加わります。
こうなると出っ歯、開咬、噛み合わせのズレ、狭窄歯列になって、歯並びも噛み合わせも悪くなります。
指しゃぶりによる影響②|口呼吸になる
指しゃぶりをすると口呼吸になる可能性があります。
歯並びは、唇と舌によって歯にかかる圧のバランスで決まります。
良好な歯並びを保つためには、舌が上顎に付いており、唇が閉じていることが大切です。
口呼吸の人は唇が常に開いており、舌が上顎に付いていないことが多いため、歯が外側に開きやすく、出っ歯、受け口、開咬などの様々な不正咬合を引き起こすことがあります。
また、口の中が乾燥しやすいため虫歯、歯周病、口臭のリスクが高いです。
他にも外部の空気とともにウイルスや細菌を身体の中に取り込む確率も高いので、感染症にかかるリスクが高くなります。
指しゃぶりによる影響③|顔貌に影響が出る
指しゃぶりによって歯並びや噛み合わせが悪くなると、顎の成長不全や口呼吸によって顔貌に影響を与えることがあります。
歯並びや噛み合わせは、顔の印象にも影響を与える場合があります。
例えば、受け口→面長、しゃくれ・出っ歯→口ゴボ、開咬→ガミースマイルなどが挙げられます。
顔の印象は子供のコンプレックスに繋がることがあるので注意が必要です。
指しゃぶりの5つのやめさせ方
3歳を過ぎても続く指しゃぶりをやめさせる方法は、以下の5つです。
- 子供に声がけをする
- 積極的なコミュニケーションを意識する
- 寝る時に指しゃぶりをしないよう工夫する
- 指しゃぶり防止グッズを使用する
- 小児矯正を検討する
一つずつ確認していきましょう。
指しゃぶりのやめさせ方①|子供に声がけをする
3歳を過ぎても指しゃぶりがやめられない場合は、癖になっている可能性があります。
指しゃぶりをしているときに優しく「やめようね」と声がけをしてあげましょう。
単純にやめるきっかけがなかっただけであれば、声がけをすることで子供が指しゃぶりを自覚して改善できる可能性があります。
怒ったり叱ったりしてやめるように強制するのはNGです。
恐怖心から隠れて指しゃぶりをする、他に髪をむしったり爪を噛んだりするなどの別の悪癖を招く恐れがあります。
「これからは幼稚園に入ってお姉さん・お兄さんになるからやめようね」
「歯並びが悪くなるからやめようね」
このような感じで、子供が「指しゃぶりをやめた方がかっこいい!」「自分のためになることなんだ!」と思うきっかけをあげることが大切です。
指しゃぶりのやめさせ方②|積極的なコミュニケーションを意識する
指しゃぶりをする原因のひとつに、愛情不足、ストレスなどの心の問題が挙げられます。
子供が不安に感じていることがないか、よく話を聞いてあげるようにしましょう。
以下のようなことで子供は不安やストレスを抱えてしまい、指しゃぶりを続けてしまうことがあります。
- 幼稚園や小学校入学で環境が変わったことによる不安やストレス
- 兄弟が生まれたことによってお母さんとの関わりが減って寂しい
意識的にコミュニケーションを取り、子供が「自分をしっかり見てくれる人がいる」と感じられるような環境を作りましょう。子供の話を聞く意外にも、抱きしめたり眠るときに手を握ってあげたりして積極的にスキンシップを取るのも効果的です。
指しゃぶりのやめさせ方③|寝る時に指しゃぶりをしないよう工夫する
指しゃぶりが癖になっている場合は、寝る時に指を咥えてしまわないように他のことに意識が向くようにしてあげましょう。
例えば、入眠前は指しゃぶりの癖が出やすいタイミングです。
添い寝をして手を握ってあげたり、抱き枕を持ってもらったりして手が口の近くに行かないようにしてあげましょう。
また、日中に外でたくさん遊ぶのも効果的です。
身体をよく動かすと寝つきがよくなりストレス発散もできるので、指しゃぶりをするきっかけが少なくなります。
指しゃぶりのやめさせ方④|指しゃぶり防止グッズを使用する
指に絆創膏やテープを貼る、指先に苦い味のするマニキュアを塗るなど、指しゃぶり防止グッズを使用するのもひとつの方法です。
指しゃぶり防止グッズを使うことで、指を咥えたときに不快感を与えて悪癖を取り除けます。
ただし、子供に罰を不快な思いをさせて癖を取り除くことになるので、根本的な解決にはならない可能性があります。
ストレスや不安が原因で指しゃぶりをしている場合は、子供の心の問題を解決してあげることが何より大切です。
指しゃぶりのやめさせ方⑤|小児矯正を検討する
指しゃぶりを親の声がけだけで改善するのは難しい場合があります。
このような時は、小児矯正を検討するのがおすすめです。
小児矯正では、口周りの筋肉を鍛えたり鼻呼吸をしたりするための「口腔筋機能療法(MFT)」を行います。
これにより、指しゃぶりのような将来的に歯並びを悪化させる要因の改善を目指すことができます。
ムーシールド、T4K、プレオルソなどのマウスピースを使用する方法、あいうべ体操のような舌を鍛える訓練などを行う方法などがあり、歯科医師が子供に合う改善方法を提案してくれます。
まとめ
赤ちゃんの指しゃぶりは、身の回りのものの状態確認や気持ちを落ち着かせるために行うと言われています。
3歳くらいまでの子供は指しゃぶりをするのが普通なので、それまでは無理にやめさせる必要はありません。
しかし、3歳を過ぎてからの指しゃぶりは、歯並びや成長に悪い影響を与える可能性があるので注意が必要です。
- 子供に声がけをする
- 積極的なコミュニケーションを意識する
- 寝る時に指しゃぶりをしないよう工夫する
- 指しゃぶり防止グッズを使用する
- 小児矯正を検討する
このような方法で指しゃぶりを卒業できるように促してあげましょう。
どれから行っていいか分からない場合は、歯科医師が子供に合った対策を講じてくれる小児矯正を検討するのがおすすめです。
<参考>
指しゃぶり(おしゃぶり)はいつまでにやめさせる?放っておくと歯並びに影響する理由を解説
指しゃぶりする子の特徴と心理!歯並びへの影響や対処法も解説!
原始反射とは?種類や消失時期などを徹底解説! | 保育園・幼稚園向けのICTシステム|Child Care System
Dr.深堀のラジオde診察室 2022年11月26日 「大人の指しゃぶりの心理」
チック症・トゥレット症 | NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター
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指しゃぶりはいつまでにやめればいいの?|[公式HP]あんどう歯科クリニック 名古屋市東区のかかりつけ歯医者
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この記事の監修者
歯科医師
髙橋 義充 先生
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