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2023/11/29
下の歯がガタガタになる原因は?治す方法と費用、放置するリスクを詳しく解説!
目次
下の歯がガタガタしているからといって、基本的に日常生活に支障をきたすことはありません。
しかし、下の歯がガタガタな人は、噛み合わせが悪い可能性が高いです。
悪い噛み合わせは虫歯や歯周病のリスク、身体の健康状態に影響を与えることがあります。
今回は、下の歯がガタガタになる原因、治す方法、治療費用、放置した場合のリスクについて解説します!
下の歯がガタガタになる5つの原因
下の歯がガタガタになる原因は、以下の5つが挙げられます。
- 下顎が小さい
- 顎の大きさに対して歯が大きい
- 通常よりも歯の本数が多い(過剰歯)
- 子供のときの乳歯の早期喪失
- 癖
一つずつ解説します。
下の歯がガタガタになる原因①|下顎が小さい
下顎が小さくて歯が真っ直ぐに生えてくるスペースが足りない場合は、下の歯がガタガタになる可能性があります。
下顎が小さい原因は、遺伝、発育状況、食生活の偏り、舌や唇の癖など様々です。
下顎の大きさを自力でコントロールするのは難しいため、
- 子供の場合→小児歯科矯正治療で顎の発育バランスを整える
- 大人の場合→歯科矯正治療を行う
ことで改善を図ることになります。
下の歯がガタガタになる原因②|顎の大きさに対して歯が大きい
下顎の大きさに対して歯が大きい場合は、下の歯が真っ直ぐに生えるスペースが足りないのでガタガタになることがあります。
この場合は上下顎の発達が適切だったとしても、歯が生えるスペースの不足によって下の歯がガタガタになりやすいです。
歯の大きさは遺伝的な要因で決まることが多いため、顎の大きさと同じように自力でコントロールすることはできません。
下の歯がガタガタになる原因③|通常よりも歯の本数が多い(過剰歯)
通常よりも歯の本数が生まれつき多い場合は、下の歯がガタガタになる可能性があります。
通常、下の歯は親知らず以外に前歯6本、小臼歯4本、大臼歯4本の計14本あります。これよりも歯の本数が多いものを「過剰歯」と言います。
過剰歯があると他の歯が生えるときに邪魔をしたり、単純に歯の本数が多いことで歯が生えるスペースが足りなくなったりして、下の歯がガタガタになることがあります。
過剰歯によって歯並びや噛み合わせに支障が出ている場合は、抜歯することが多いです。
下の歯がガタガタになる原因④|子供のときの乳歯の早期喪失
乳歯が予定よりも早く抜けると、下の歯がガタガタになる可能性があります。
乳歯が永久歯に生え変わる順番は決まっており、永久歯が生えてくる順番に沿って乳歯が抜けるのが一般的です。
しかし、乳歯が予定よりも早く抜けてしまうと空いたスペースに隣の歯が寄ってきてしまい、永久歯が生えるためのスペースを埋めてしまいます。
これにより永久歯が生える場所がなくなってしまい、下の歯がガタガタになるのです。
下の乳歯の前歯は外傷、下の歯の奥歯は虫歯によって予定よりも早く抜けてしまうことが多いです。(※)
乳歯が早く抜けてしまった場合は、永久歯のスペースを確保する処置をした方がいい場合があるので、歯科医院で相談してみましょう。
※出典:2004年小児歯科学雑誌「乳歯早期喪失の原因について」
下の歯がガタガタになる原因⑤|癖
以下のような癖がある人は、下の歯がガタガタになることがあります。
- 歯ぎしり
- 舌の位置
- 噛む時の癖
- 爪や唇を噛む癖
- 頬杖をつく癖 など
理由は癖によって歯に不適切な力が加わったり、顎の成長に影響を与えたりするためです。
癖は下の歯がガタガタになる原因の中で唯一、自力で意識的に改善できるものもあります。
しかし、既に下の歯がガタガタになっている場合は、癖を直しても歯が真っ直ぐになることはありません。
下の歯のガタガタを治すためには、歯科矯正治療が必要です。
下の歯のガタガタを治す方法
下の歯のガタガタを治すには、以下の歯科治療で改善することができます。
- 歯科矯正治療
- セラミック治療
下の歯のガタガタの治療法①|歯科矯正治療
下の歯のガタガタの治療方法の一つ目は、歯科矯正治療です。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正で歯を動かすことで、下の歯のガタガタを改善することができます。
ワイヤー矯正
歯に金属やセラミックでできたブラケットとワイヤーを着けて歯を動かし、歯並びを整えます。
ワイヤーを歯の表に着ける「表側矯正」、裏側に着ける「裏側矯正(リンガル矯正)」、ミックスする「ハーフリンガル矯正」があります。
ワイヤー矯正のメリット
- 軽度〜重度の下の歯のガタガタまで、ほぼ全ての症例に適応できる
- 使用するブラケットとワイヤーの種類によっては費用を抑えることができる
ワイヤー矯正のデメリット
- 表側矯正は目立ちやすい
- 装置の違和感が大きい
- マウスピース矯正と比べて痛みが出やすい
- 歯磨きがしにくいので虫歯や歯周病のリスクが高い
- マウスピース矯正よりも通院回数が多く必要。(月1回以上が目安)
- 金属アレルギーがある人には適用できない
ワイヤー矯正の値段
部分矯正なら30万円以上、全体矯正なら80〜120万円が相場です。
ワイヤー矯正にかかる期間
部分矯正なら最短3ヶ月から1年以内、全体矯正なら1〜3年ほどが目安です。
下の歯のガタガタがどの程度か、他に噛み合わせに問題があるかなど、症例によって治療期間は異なります。
マウスピース矯正
透明なマウスピースを1〜2週間ごとに交換して歯を動かす方法です。装置が目立ちにくいため、芸能人がしていると話題になることがあります。
マウスピース矯正のメリット
- 目立ちにくい
- ワイヤー矯正よりも痛みが少ない
- 歯磨きや食事のときに自分で外せるので、矯正前とほぼ同じように食事や歯磨きができる
- ワイヤー矯正よりも通院回数が少ない(2〜3ヶ月に1回以上が目安)
- 金属アレルギーがある人にも適用できる
- 治療前に治療後の歯並びを確認できる
マウスピース矯正のデメリット
- 一般的に1日20〜22時間以上マウスピースの装着が必要
- マウスピース矯正ブランドには様々な種類があり、適応範囲や症例が限られる場合がある
- 飲食をする際はマウスピースを外す必要がある
- マウスピースの装着時間や交換スケジュールを自分で管理する必要がある
マウスピース矯正の値段
部分矯正なら10〜40万円ほど、全体矯正なら60〜100万円ほどが相場です。
マウスピース矯正にかかる期間
部分矯正なら最短3ヶ月から1年以内、全体矯正なら1〜3年ほどが目安です。
下の歯のガタガタがどの程度か、他に噛み合わせに問題があるかなど、症例によって治療期間は異なります。
下の歯のガタガタの治療法②|セラミック治療
歯をひと回り削って、セラミックの被せ物をして下の歯のガタガタを治す方法です。
セラミックの被せ物を装着する角度や向きを調整して、歯が真っ直ぐに並んでいるように見せる治療方法となります。
セラミック治療のメリット
- ワイヤー矯正やマウスピース矯正と比べて短期間で終わる
- 歯の大きさや形や色が選べる
- 歯を動かさないので後戻りしない
- セラミックにする本数や素材によっては歯科矯正治療よりも費用が少ない
セラミック治療のデメリット
- 歯を大きく削るので侵襲が大きく、歯が脆くなりやすいため歯の寿命が短くなる可能性が高い
- 加齢や時間経過で歯茎と被せ物の間にズレが生じて合わなくなることがある
- 歯茎と被せ物の隙間は虫歯リスクが高い
- 破損や経年変化による変色など、セラミックにも寿命がある
- 適応症例が限られる
セラミック治療の値段
1本4〜20万円以上が相場です。
自費診療のため、セラミックの種類や歯科医院によって費用は異なります。
セラミック治療にかかる期間
1〜3カ月以内で完了します。
セラミック治療は歯科矯正治療のように歯を動かさないため、治療期間は短いです。
通院回数はカウンセリングも含めて3〜4回ほどが一般的です。
下の歯のガタガタは自力で治せる?
基本的に下の歯のガタガタを自力で治すことはできません。
歯を動かすには、強過ぎず弱過ぎない力をかける必要があります。矯正装置を使わずに自力で適切な力を歯にかけることはできません。
専門知識のない人が自力で歯に力をかけると、顎や歯にダメージを与えてしまったり、最悪歯が抜けてしまったりする可能性があるため危険です。
下の歯のガタガタを放置する6つのリスク
下の歯がガタガタしてる人は、歯並びがきれいな人と比べて以下のようなリスクが高いです。
- 虫歯・歯周病・口臭が発生しやすい
- 上の歯並びまで乱れる可能性がある
- 顔や身体のバランスが乱れる可能性がある
- 顎関節症のリスクが高くなる
- 見た目が気になる場合がある
- 消化機能に影響を与える可能性がある
見た目と口・身体の機能で影響を与える可能性があるため、できれば改善するのがおすすめです。
下の歯のガタガタを放置するリスク①|虫歯・歯周病・口臭が発生しやすい
下の歯がガタガタしていると、虫歯、歯周病、口臭が発生するリスクが高いです。
理由は、下の歯がガタガタしている人は、歯並びがきれいな人より歯の汚れや歯石が溜まりやすいからです。
歯の汚れや歯石は虫歯、歯周病、口臭の原因です。
これらのリスクを下げるためには、より丁寧なセルフケアやこまめな歯科医院でのクリーニングが必要になるでしょう。
下の歯のガタガタを放置するリスク②|上の歯並びまで乱れる可能性がある
下の歯がガタガタしていると、噛み合わせのバランスが崩れて上の歯並びまで悪くなる可能性があります。
噛み合わせのバランスが悪いと噛んだときの負担が上の歯にも不適切にかかり、部分的に歯が倒れてきて歯並びが乱れる場合があります。
下の歯のガタガタを放置するリスク③|顔や身体のバランスが乱れる可能性がある
噛み合わせは、顔と身体の骨や筋肉のバランスにも影響を与えます。
下の歯がガタガタしており噛み合わせが悪いと、顔が曲がる、筋肉に負担がかかって肩こりや頭痛を引き起こすなどの弊害が出る可能性があります。
下の歯のガタガタを放置するリスク④|顎関節症のリスクが高くなる
下の歯がガタガタしていると噛んだときに顎の関節に負担をかけやすいため、顎関節症になるリスクが高いです。
顎関節症とは、口を開けるときに顎の関節が痛んだり、音がしたりしたりする病気です。噛み合わせが悪いと発症しやすいと言われています。
下の歯のガタガタを放置するリスク⑤|見た目が気になる場合がある
下の歯がガタガタしていると見た目が気になってコンプレックスを抱くことがあります。
特に下の前歯がガタガタしていると、口を開けたときに目立ちやすいです。
下の歯のガタガタを放置するリスク⑥|消化機能に影響を与える可能性がある
下の歯がガタガタしており噛み合わせが悪いと、十分に食べ物を噛み砕くことがでません。そのため、胃腸での消化機能に負担を掛けてしまうことがあります。
また、歯で食べ物を噛み砕くことは満腹中枢にも影響を与えます。
しっかり噛めないと満腹中枢が食事を十分に摂取していると認識できないため、食べ過ぎの原因になることもあります。
まとめ
下の歯がガタガタになる原因には、以下のようなものがあります。
- 下顎が小さい
- 顎の大きさに対して歯が大きい
- 通常よりも歯の本数が多い(過剰歯)
- 子供のときの乳歯の早期喪失
- 癖
下の歯のガタガタを治すには、歯科矯正治療やセラミック治療が有効です。
気になる場合は、歯科医院でカウンセリングを受けてみましょう。
<参考>
下の歯(前歯)がガタガタ・内側に倒れる原因と治療方法
歯並びがガタガタする4つの原因と矯正方法
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この記事の監修者
歯科医師
髙橋 義充 先生
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