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2023/11/15

矯正したのに出っ歯の理由と6つのケース|対策、返金、転院・再治療費を解説!

目次

歯科矯正治療で歯並びを綺麗にしたはずなのに、

「出っ歯が治らなかった」

「元は出っ歯じゃなかったのに、出っ歯になった」

「矯正で歯並びを治したのに、出っ歯に戻った」

このようなケースを耳にすることがあります。

実は、歯科矯正治療をした後に出っ歯になるのにはいくつかの理由があります。

 

今回は、矯正したのに出っ歯になる理由、矯正したのに出っ歯になってしまった6つのケースを紹介します。

また、矯正で出っ歯になるのを避ける方法、出っ歯になってしまった時にすべきこと、矯正費用を返金してもらう方法、転院や再治療にかかる費用についても詳しく解説します!

矯正したのに出っ歯になる理由

矯正したのに出っ歯になる原因は、主に歯を並べるためのスペースが足りないことです。

出っ歯にならないように矯正治療をするには、以下の方法から適切な方法を選び、歯を並べるためのスペースを作る必要があります。

  • IPR(ディスキング)
  • 小臼歯や親知らずの抜歯
  • 奥歯を後方に動かす
  • 拡大床による顎の側方拡大
  • 外科矯正治療

しかし、見通しの甘い治療計画、患者が抜歯や外科手術を含む治療計画に同意してくれない場合などは、歯を並べるためのスペースが足りなくなり出っ歯になることがあります。

その他、

  • 歯の本数、歯の大きさや顎の形などの生まれつきの要因で、歯科矯正治療だけで出っ歯を改善できる範囲に限界がある
  • 歯科矯正治療の過程で一時的に出っ歯になる
  • 保定装置を使用せずに後戻りして出っ歯になる など

このような理由で矯正したのに出っ歯になることもあります。

矯正したのに出っ歯になってしまう6つのケース

以下のような場合、矯正したのに出っ歯になってしまうことがあります。

  • スペースが足りないのに無理に歯を並べた
  • 生まれつき歯の本数が少ない
  • 歯の大きさによって出っ歯に見えてしまう
  • 保定装置をサボり出っ歯に戻った
  • 既に歯科矯正治療で抜歯している人の再治療
  • 治療過程で一時的に出っ歯になっている

矯正したのに出っ歯になってしまう6つのケースを詳しく解説します。

矯正したのに出っ歯になるケース①|スペースが足りないのに無理に歯を並べた

歯を並べるスペースが足りないと歯列が外側に膨らむため、矯正しても出っ歯になる可能性があります。

無理な非抜歯治療、見通しの甘い治療計画、患者の希望と治療ゴールの擦り合わせができていないことなどが原因で起こります。

矯正したのに出っ歯になるケース②|生まれつき歯の本数が少ない

生まれつき下の歯の本数が足りない場合は、上の歯列よりも下の歯列が小さい傾向があります。

そのため、歯科矯正治療をしても上顎のボリュームが大きく見えたり、歯の傾斜が強くなったりして出っ歯だと感じることがあります。

矯正したのに出っ歯になるケース③|歯の大きさによって出っ歯に見えてしまう

前歯が平均やお顔の大きさと比較して大きい場合は、矯正しても出っ歯だと感じることがあります。

また、前歯の大きさが平均的でも隣の歯が小さい場合は、前歯が大きくて出っ歯のような印象を受けることがあります。

矯正したのに出っ歯になるケース④|保定装置をサボり出っ歯に戻った

歯科矯正治療後に保定装置(リテーナー)を歯科医師の指示通りに使用しないと、歯が動いてしまい出っ歯に戻ることがあります。

矯正装置を外した後に歯が動いて元に戻ることを「後戻り」といいます。

歯科矯正治療後は後戻りを防ぐため、歯科医師の指示通りに保定装置を使う必要があります。

元の歯並びが出っ歯の場合は、後戻りで出っ歯になる可能性が高いので注意しましょう。

矯正したのに出っ歯になるケース⑤|既に歯科矯正治療で抜歯している人の再治療

1回目の歯科矯正治療で小臼歯の抜歯をしている場合、再治療では新たに歯を抜くことができないため、歯を動かせるスペースに制限がかかります。

そのため、再治療の時に歯を並べるためのスペースが十分に確保できず、矯正しても出っ歯だと感じる場合があります。

矯正したのに出っ歯になるケース⑥|治療過程で一時的に出っ歯になっている

治療の過程で一時的に歯が前に傾くなどの影響で、出っ歯になったと感じることがあります。

上の前歯を引っ込めるには抜歯や奥歯の後方移動などを先に行い、しっかりとスペースを確保してから前歯を動かします。

そのため、上の前歯を最後に動かすような治療計画の場合は、矯正しているのに出っ歯になったと感じる場合があります。

この場合は治療過程の一時的なものなので、心配はいりません。

矯正したのに出っ歯になるのを避ける方法

矯正したのに出っ歯になるのを避けるには、初めの歯科医院選びが大切です。自分のなりたい歯並びと歯科医師の治療方針が合う歯科医院を選びましょう。

歯並び、噛み合わせ、口元の雰囲気など、歯科矯正治療でどのポイントを優先するかは歯科医師によって異なります。

カウンセリングの際に自分が希望する歯並びや理想を歯科医師に伝え、自分の理想の歯並びと歯科医師の治療方針が合っているか確認しましょう。

また、歯科医師の技量によって、あなたの希望をどのくらい叶えられるかも違います。

歯科医師によって治療結果が違う場合があるので、いくつかの歯科医院でカウンセリングを受けるのがおすすめです。

矯正したのに出っ歯になったらすべきこと

矯正したのに出っ歯になった場合は、以下の方法で対応しましょう。

  • 担当の歯科医師に相談する
  • セカンドオピニオンを受ける
  • 転院する
  • 再治療を受ける

矯正したのに出っ歯になった時の対応①|担当の歯科医師に相談する

治療中や治療後に出っ歯になったと感じたら、まずは担当の歯科医師に相談しましょう。

治療過程で一時的に出っ歯になる場合もあるので、治療が上手くいっているのか、予想外に出っ歯になるような問題が起きているのかを確認できます。

また、担当の歯科医師に相談することで、治療方針の変更やリカバリーするための治療を提案してもらえる場合もあります。

他の歯科医院でセカンドオピニオンを受けたり、再治療をしたりするのにはある程度費用がかかります。

担当の歯科医師に強い不信感がある場合は別ですが、余計な支出を防ぐためにも先に担当の歯科医師に相談しましょう。

矯正したのに出っ歯になった時の対応②|セカンドオピニオンを受ける

相談した結果、担当歯科医師の説明がよく分からなくて納得できないと感じたら、別の歯科医院でのセカンドオピニオンを検討しましょう。

他の歯科医師から客観的な意見をもらうことで、なぜ矯正をしたのに出っ歯になったのか、自分の受けた治療が上手くいっているのかを判断しやすくなります。

セカンドオピニオンを受けた歯科医院で治療を受けたい場合は、転院での治療継続が可能か確認しておくと良いでしょう。

矯正したのに出っ歯になった時の対応③|転院する

現在受けている歯科矯正治療に納得できないと感じたら、転院を検討するのも一つの方法です。

転院することを決めたら、転院先を探して担当の歯科医師に伝えましょう。しっかりと意思表示をせずに転院するとトラブルの原因となります。

また、転院先でスムーズに治療を再会するために、治療前のレントゲンや写真などの資料をもらっておくのがおすすめです。

転院先の歯科医院には、カウンセリングの際に転院を希望していること、転院に必要な資料などを確認しておきましょう。

矯正したのに出っ歯になった時の対応④|再治療を受ける

矯正したのに出っ歯になった、または出っ歯に戻ってしまった場合は、再治療を受けることで改善できます。

再治療を受ける時は、歯科医師に再治療であることを伝えて審査・診断してもらいましょう。

可能なら1回目の歯科矯正治療のデータを提示すると、再治療をすることになった原因を踏まえた治療計画が立てやすくなる場合があります。

矯正したのに出っ歯になってしまったら返金してもらえる?

矯正したのに出っ歯になった場合、返金してもらえるかは治療の進行度合いや支払い状況によって異なります。

歯科矯正治療は自費診療のため、返金に関する相談は自分で歯科医院と行い、手続きをする必要があります。

  • 全額支払い済みの場合
  • 借入やローンを組んでいる場合
  • 歯科医院との分割払い契約で残債がある場合

以上3つの支払い状況別の返金パターンを確認してみましょう。

支払い状況別の返金パターン①|全額支払い済みの場合

全額支払い済みの場合は、日本臨床矯正歯科学会の「矯正歯科患者の矯正歯科医変更に関する規程」に基づき、治療の進行度合いに応じて返金されます。

契約書に「いかなる理由でも返金しない」と記載されている場合でも、基本的にはこの規定を指標として治療の進行度合いに応じて返金されることが多いです。

ただし、トラブルになる可能性があるので、契約の際に中途解約時の返金について念のため確認しておきましょう。

「矯正歯科患者の矯正歯科医変更に関する規程」で提示されている返金費用の目安は、以下の通りです。

【見出し】治療のステップ 【見出し】返金額の目安(全額お支払いの場合の返金清算)
全歯の整列 60~70%程度
犬歯の移動 40~60%程度
前歯の空隙閉鎖 30~40%程度
仕上げ 20~30%程度
保定 0~ 5%程度

※出典:「矯正歯科患者の矯正歯科医変更に関する規程」https://www.jpao.jp/05jpao/0510insistence/1_11.html

支払い状況別の返金パターン②|借入やローンを組んでいる場合

借入やローンを組んで歯科医院に矯正費用を払っている場合は、歯科医院に支払った分のみ治療の進行度合いに応じて歯科医院から返金されます。

返金の割合は「矯正歯科患者の矯正歯科医変更に関する規程」に基づいて計算されます。

歯科医院に払っていない分の借入やローンの契約はなくなりません。歯科医院から返金された分と残債を自分で借入先やローン会社へ返済しましょう。

支払い状況別の返金パターン③|歯科医院との分割払い契約で残債がある場合

歯科医院との契約によっては、矯正費用を分割で納めることになっている場合があります。

分割払いの場合は、治療の進行状況によって残債をどのくらい払うかが決まることが多いです。歯科医院に確認しましょう。

まだ装着していないオーダーメイドの矯正装置がある場合は、使用していなくても発注が完了していれば支払いを求められることがあります。

矯正したのに出っ歯になった時の転院と再治療にかかる費用

転院や再治療の費用は、出っ歯が軽度ならば30万円ほど、重度なら60万円以上の費用がかかることが多いです。

転院による歯科矯正治療や治療後の再治療にかかる費用は、出っ歯を改善するためにどのくらい歯を動かす必要があるかで異なります。

転院による治療継続や再治療でも、基本的には初めから歯科矯正治療を行うのと同じ扱いになり治療計画は作り直しです。

既に歯並びを整えている分、軽度症例として矯正費用が安くなる可能性はありますが、転院による治療継続や再治療だからという理由で費用が安くなることはありません。

また、転院や再治療には、矯正費用の他に以下の費用が別途かかる可能性があります。

  • 必要に応じて紹介状、転医資料、継続治療依頼書の作成費
  • 転院先、再治療を行う歯科医院での検査・診査診断費用 など

転院や再治療には、安くない費用が発生することを覚えておきましょう。

まとめ

歯科矯正治療をした後に出っ歯になる可能性はあり、以下のようにいくつかの理由があります。

  • 歯を並べるスペースが足りないのに無理に歯を並べた
  • 歯の本数、歯の大きさや顎の形などの生まれつきの要因で、歯科矯正治療だけで出っ歯を改善できる範囲に限界がある
  • 歯科矯正治療の過程で一時的に出っ歯になる
  • 保定装置を使用せずに後戻りして出っ歯になる など

歯科矯正治療で出っ歯になった場合は担当の歯科医師に相談し、信頼できないと感じたらセカンドオピニオンを受けるのがおすすめです。

不安を残したまま治療を進めるのは辛いものです。疑問や不安は、できるだけ早く歯科医師に相談しましょう。

 

 

<参考>
矯正したのに出っ歯が直らない!その理由とは
矯正中に前歯が出てくることはあるのか
先天性欠如歯科 | – 矯正歯科ネット
歯が大きいのはなぜ?歯が大きい原因と矯正について | hanaravi歯科矯正blog
リテーナーはいつまで使⽤するのか?正しい使用時間と期間について – 明大前・下北沢 インビザライン(マウスピース矯正)専門サイト
Q 矯正治療を失敗された!治療費を返金してもらう方法|矯正歯科ネット
転居等で矯正歯科治療が継続できなくなった場合の治療費の清算について
後戻りによる再矯正にかかる費用を歯科医が解説|後戻りの原因や再矯正の注意点もご紹介します

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この記事の監修者

歯科医師

髙橋 義充 先生

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