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2023/11/14
デンタルケアとは?意味、順番、デンタルケアグッズのおすすめの選び方を解説!
目次
デンタルケアは、お口と身体の健康を守るためにとても大切です。
「口臭が気になっており、デンタルケアを見直したい」
「歯周病対策に役立つデンタルケアがしたい」
「そもそも、デンタルケアって何?」
このようにお考えの方に、今回はデンタルケアの意味と順番、デンタルケアグッズのおすすめの選び方を解説します!
デンタルケアとは?
デンタルケアとは、歯と歯茎のケアをすることです。
歯科医院で行うデンタルケアと自宅などで自分で行うデンタルケアがあります。
「デンタルケア」は「オーラルケア」の一種
歯と歯茎をケアするデンタルケアは、オーラルケアに含まれる口の手入れの一種です。
オーラルケアは、口の健康から全身の健康の維持向上を図るケアの総称です。以下のようなものがあり、デンタルケアはオーラルケアに含まれます。
- 歯磨きによる歯と歯茎のケア(デンタルケア)
- 舌磨きやマウスウオッシュによる口の粘膜のケア
- 摂食・嚥下機能(※)改善のためのリハビリ
- 唾液分泌の促進 など
※摂食・嚥下機能=食べ物を噛んで飲み込む機能のこと
虫歯や歯周病などを予防するには、デンタルケア(歯磨き)をして歯の食べかすや汚れを落とすことがとても大切です。
そのため、デンタルケアはオーラルケアの主軸であり、特に重要なケアだと言えます。
自宅で行うデンタルケアと歯科医院で受けるデンタルケアがある
デンタルケアには、自宅で行うケアと歯科医院で受けるケアがあります。
自分で行うデンタルケアは歯磨きが一般的です。一方、歯科医院で受けるデンタルケアは専門の機械を使ったクリーニングや歯石取りなど、自宅ではできないケアです。
自分で歯磨きをして落とせる汚れは、歯ブラシだけを使った場合は58%、歯ブラシとフロスを使った場合は86%、歯ブラシと歯間ブラシを使った場合は95%です。(※)
つまり、どんなに丁寧に歯磨きしても必ず落とせない汚れが残ってしまうことになります。
磨き残しは時間の経過とともに歯石となって虫歯や歯周病を引き起こします。
歯石は歯科医院にある専用の機械で落としてもらう必要があるため、自分で行うデンタルケアと併せて定期的に歯科医院でケアを受けるのがおすすめです。
※出典:日本歯周病誌1975「Interdental Brush と Dental Floss の清掃効果について」
自宅で行うデンタルケア
自宅で行うデンタルケアとは、基本的には毎日行う歯磨きのことです。ホームケアやセルフケアとも呼ばれます。
歯ブラシ、歯間ブラシ、マウスウォッシュなどのケアグッズを活用して、口の中の衛生状態を保つためのケアを行います。
歯科医院で受けるデンタルケア
歯科医院で受けるデンタルケアには、以下のようなものがあります。
- 歯のクリーニング
- 歯石除去
- 虫歯予防のためのフッ素塗布
- 歯科矯正治療
- ホワイトニング など
歯科医院ではデンタルケアに加えて、身体の健康も見据えたオーラルケアとしてのアドバイスをくれることが多いです。
口のプロである歯科医師や歯科衛生士が口の中を診て生活習慣の聞き取りを行い、個人の口内環境を分析、必要なケアや歯磨きの方法などをアドバイスしてくれます。
デンタルケアをする2つの意味
デンタルケアで口を清潔に保つことは、以下の2つの観点から口と全身の健康を守るために意味のあることです。
- 口と全身の病気の予防
- 口の免疫機能の維持・向上
デンタルケアの意味①|口と全身の病気の予防
歯と歯茎を綺麗にするデンタルケアは、口と全身の病気を予防するために重要です。
デンタルケアを怠って口の中が不潔になると歯を溶かす酸や毒素を出す口内細菌が増えて、以下のような病気が発生・進行するリスクが高くなります。
- 虫歯
- 歯周病
- 歯周病に関連のある全身疾患
(糖尿病、心疾患、脳血管疾患、早産、低体重児など)
- 唾液や食べ物と共に口内細菌を誤嚥することによる誤嚥性肺炎
これらのリスクを少なくするには、適切なデンタルケアで口内を清潔に保つことが大切です。
デンタルケアの意味②|口の免疫機能の維持・向上
デンタルケアをして口を清潔にすることは、口の免疫機能の維持・向上にも繋がります。
口はウイルスや細菌の感染経路の一つです。通常は、口からウイルスや細菌が侵入すると唾液に含まれるIgA抗体が働いて、細菌感染から身体を守る防衛機能が働きます。
しかし、口が汚れているとIgA抗体が歯周病や虫歯などを引き起こす口内細菌の防御に手を取られてしまい、様々な病気に掛りやすくなります。
自宅で行うデンタルケアのやり方
自分で行うデンタルケアの1日に行う回数やタイミング、順番を解説します。
自宅で行うデンタルケア①|1日に行う回数とタイミング
デンタルケアは最低でも朝、夜(就寝前)の1日2回以上行うのが望ましいです。
可能であれば、昼食後も含めて1日3回以上デンタルケアを行うのが理想です。
就寝中は唾液の分泌量が少なくなるので、虫歯菌や歯周病菌などの口内細菌が活発化しやすいです。就寝前は特に丁寧に磨くようにしましょう。
自宅で行うデンタルケア②|順番
デンタルケアは、以下のような順番で行うのがおすすめです。
- デンタルフロスor歯間ブラシをする
- 歯磨きをする
- 舌磨きをする(毎回はしなくてOK。1日1回が目安)
- マウスウオッシュでうがいをする
デンタルケアのやり方や順番は、タイミングや個人のお口の状態、デンタルケアグッズの使用方法などによって異なります。
できれば定期的に歯科医院で口腔衛生指導を受けて、自分に合ったデンタルケアの順番やグッズについてアドバイスをもらうといいでしょう。
デンタルケアの順番①|デンタルフロスor歯間ブラシをする
はじめにデンタルフロスか歯間ブラシを使って、歯と歯の間の汚れを落とします。
デンタルフロスや歯間ブラシを歯と歯の間に優しく差し込み、ノコギリのように前後に動かして汚れを落とします。
歯と歯の間が狭い人にはデンタルフロス、歯と歯の間が広い人や歯の根元に三角の隙間がある人には歯間ブラシがおすすめです。
デンタルフロスや歯間ブラシよりも先に歯ブラシを使うことが推奨される場合もありますが、
「デンタルフロスをしてから歯ブラシを使用した方が歯垢がより有意に減少する」
という検証結果(※)があるため、デンタルフロスか歯間ブラシを最初に使用するのがおすすめです。
※参考文献:「The effect of toothbrushing and flossing sequence on interdental plaque reduction and fluoride retention: A randomized controlled clinical tria」The effect of toothbrushing and flossing sequence on interdental plaque reduction and fluoride retention: A randomized controlled clinical trial – Mazhari – 2018 – Journal of Periodontology – Wiley Online Library
デンタルケアの順番②|歯磨きをする
次に、歯ブラシで歯を磨きます。
虫歯予防、歯周病予防、ホワイトニングなど、自分の目的に合った歯磨き粉をつけて歯を磨きましょう。
歯磨き粉の量は、大人なら1〜2cmくらいが目安です。歯磨き粉をつけすぎると泡で歯が見えなくなり磨き残しができやすくなるため、適量を意識しましょう。
歯ブラシは横方向に小刻みに動かします。歯を1〜2本ずつに分けて、1箇所につき10回ほど磨くといいでしょう。
時間に余裕があれば、1回の歯磨きで2回ブラッシングをするのもおすすめです。
1回目は歯磨き粉をつけずにブラッシングし、2回目のブラッシングでは歯磨き粉をつけて磨きます。
歯磨き粉をつけずに磨くことで歯がしっかり見えるため、1本ずつ丁寧に磨けます。歯磨き粉をつけて再度磨く理由は、歯磨き粉の薬用効果を得るためです。
デンタルケアの順番③|舌磨きをする
舌には口臭の原因となる「舌苔」という汚れが溜まります。
歯磨きが終わったら、舌専用の歯ブラシ(舌ブラシ)か毛の柔らかい歯ブラシで舌の表面を磨きましょう。
舌の奥から手前に向かって、優しく撫でるようにして舌苔を落とします。
磨きすぎると舌が傷つくので、1日1回が目安です。毎回する必要はないので、特に舌苔が増えやすい朝に行うといいでしょう。
デンタルケアの順番④|マウスウオッシュでうがいをする
最後の仕上げに、マウスウオッシュでうがいをします。
製品によって異なりますが、15秒〜30秒程度口に含んでうがいをしたら吐き出します。
使用後の水うがいは基本的に不要です。水で口を濯がない方が、マウスウォッシュの薬用成分を口の中に長く残せます。
マウスウォッシュの味や刺激が気になる場合は、1回だけ軽く水でうがいをしましょう。
デンタルケアグッズのおすすめの選び方
デンタルケアグッズには、以下のような種類があります。
- 歯ブラシ
- 歯磨き粉
- デンタルフロス
- 歯間ブラシ
- 舌ブラシ
- マウスウォッシュ
それぞれのおすすめの選び方をご紹介します。
デンタルケアグッズ①|歯ブラシ
歯ブラシはデンタルケアの基本となるアイテムです。ブラシの大きさや毛の硬さ、毛先の形が違うさまざまな種類があります。
ブラシが小さめで植毛部が薄いコンパクトな歯ブラシは、細かいところまで磨きやすいです。
ブラシの硬さは、以下のように歯茎や身体の状態に合わせて選ぶのがおすすめです。
- 健康な歯茎の人は「普通」
- 歯茎に炎症がある人は「柔らかめ」
- 手に力が入りにくい高齢者は「硬め」
硬めの歯ブラシは清掃効果が高いため、普通の人が使うと歯や歯茎にダメージを与えることがあります。硬めの歯ブラシを使う際は、力加減に注意しましょう。
デンタルケアグッズ②|歯磨き粉
歯磨き粉は歯の汚れを落とすのを助ける清掃剤、歯質強化、殺菌、着色除去などの作用がある薬用成分が配合されたデンタルケアグッズです。
含まれる薬用成分によって虫歯予防、歯周病予防、着色予防などに効果を発揮します。
歯磨き粉の成分と効果を確認して、欲しい効果のある歯磨き粉を選びましょう。
【見出し】歯磨き粉の成分 | 【見出し】効果 |
虫歯予防 |
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歯周病予防 |
|
着色予防 (ホワイトニング) |
|
知覚過敏予防・抑制 |
|
歯石沈着予防 |
|
デンタルケアグッズ③|デンタルフロス
デンタルフロスは、歯と歯の間の汚れを落とすためのデンタルケアグッズです。
必要な分だけカットして使う「ロールタイプ」とホルダー付きの「ホルダータイプ」があります。
ロールタイプは歯列が凸凹している人、デンタルフロスを使い慣れている人におすすめです。
ホルダータイプは比較的歯列の凹凸が少ない人、デンタルフロスを使い慣れていない人に向いています。
デンタルフロスの糸にもいくつかの種類があります。
ナイロン製のデンタルフロスは汚れが絡みやすく、ポリエステル製は歯茎に優しいです。
また、ワックスコーティングされているものは滑りやすく、歯と歯の間に入れやすいのが特徴です。
デンタルケアグッズ④|歯間ブラシ
歯間ブラシは、歯と歯の間にある大きな隙間の汚れを落とすためのデンタルケア用品です。
4S(通過径0.6mm程度)〜LL(通過径2.2mm程度)の太さが違う歯間ブラシがあります。自分の歯と歯の間の隙間に合った太さを選びましょう。
小さい隙間に太い歯間ブラシを無理に入れると、歯茎を傷つける可能性があります。サイズ選びで迷った場合は、歯科医院でアドバイスをもらうのがおすすめです。
デンタルケアグッズ⑤|舌ブラシ
舌ブラシは、舌を磨くためのブラシです。
ブラシタイプ、ヘラタイプ、U字型スクレーパータイプがあります。
それぞれの特徴は以下の通りです。
【見出し】舌ブラシのタイプ | 【見出し】特徴 |
ブラシタイプ |
|
ヘラタイプ |
|
U字型スクレーパータイプ |
|
デンタルケアグッズ⑥|マウスウォッシュ
マウスウォッシュは歯磨きの後に口を濯ぐことで補助的に汚れを除去できるデンタルケアグッズです。
含まれる薬用成分により虫歯、歯周病、着色などのトラブルを予防する効果も期待できます。
パッケージに記載されている効果、対象年齢を確認して、自分の欲しい効果のあるマウスウオッシュを選ぶのがおすすめです。
まとめ
デンタルケアとは、歯と歯茎のケアをすることです。
歯科医院で行うクリーニングや歯石取り、自宅などで自分で行う歯磨きがデンタルケアの基本となります。
虫歯や歯周病の予防だけでなく、糖尿病や心疾患などの全身疾患の予防と口の免疫機能の維持・向上にも繋がるので、きちんと行うようにしましょう。
自分に合ったデンタルケアの方法が知りたい場合は、歯科医院でアドバイスをもらうのがおすすめです。
まずは定期検診を受けて、口の状態を確認してもらうことから始めましょう。
<参考>
オーラルケアとは?デンタルケアとの違いやグッズの選び方、おすすめの方法|wakanote
【医師監修】オーラルケアとは?重要性やグッズごとの選び方・使い方について紹介! | セゾンのくらし大研究
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この記事の監修者
歯科医師
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