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2023/06/29
歯列矯正の痛みには耐えられる?痛む理由や対策を詳しく解説
目次
「歯並びをキレイにしたいけど、痛みが不安で踏み出せない」
多くの方がこのような悩みを抱えています。
あらかじめ痛みに耐えるためのコツや痛みの特徴を知ることで、歯列矯正への不安が少し和らぐのではないでしょうか。
この記事では「痛みの程度や原因を知って歯列矯正をする際の参考にしたい」という人に向けて、痛みが発生するタイミングや理由、痛みに耐えるためのコツを紹介します。
歯列矯正で痛みが出る原因・理由
歯列矯正は、矯正装置を使って歯に負荷をかけ続け、少しずつ歯を移動させる治療です。
歯列矯正によって痛みが出る原因・理由は以下のように書かれています。
歯に緩やかな力を加えると、根の部分に炎症反応が起き、根の先端では血行障害が生じます。それを元に戻そうとして、骨を作る細胞と、骨を溶かす細胞が現れ、新たな歯の位置に歯茎が合わせる形で安定します。
これらが痛みの原因ですが、それこそが歯を動かすメカニズムでもあります。矯正歯科治療では、この身体に元来備わっている性質を利用して、有機的に歯並びを整えていきます。
引用元:尾崎矯正歯科クリニック
歯を動かすこと自体が、痛みの原因になっているといえます。
歯列矯正の痛みが出やすいタイミング
ここからは、歯列矯正で痛みが出やすいタイミング、全6種類を紹介します。
歯列矯正を行うにあたって必然性の高い痛みとイレギュラーな痛みの2パターンがあるので、どちらも矯正を始める前にチェックしておきましょう。
どのタイミングで痛みが出やすいのか、またどのような内容なのかも記載しているので、これから始める歯列矯正の参考にしてください。
歯列矯正において必然性の高い痛み
まずは、歯科矯正において起こる可能性の高い痛みを紹介します。
なぜ痛みが出るのか、どれくらいの期間続くのかなども、あわせてお話しします。
歯列矯正において必然性の高い痛み①矯正を調整したとき
歯列矯正において必然性の高い痛みの1つ目は、歯に力を加えたときです。
ワイヤー矯正は月に1回程度の調整、マウスピース矯正は1〜2週間に1回の交換が必要です。
ワイヤー矯正においては、ワイヤーの調整を行ったあとの2〜3日間は痛みが出やすいといわれています。以下が痛みに関する説明です。
また通常、矯正治療は月に1回程度通院して調整を行いますが、調整の度に3日から1週間程度の痛みを感じます。しかし、初めより2日目、2回目より3回目と徐々に痛みの強さも期間も緩和されます。3か月~半年もすると調整後の痛みもほとんど感じなくなります。
引用元:すずき矯正歯科
マウスピース矯正は、新しいマウスピースに交換したあとの2〜3日間が、痛みが出やすい期間だといわれています。
マウスピース矯正は1~2週間ごとにマウスピースを交換し、少しずつ歯を動かしていきます。 1~2週間使って慣れてきて痛みや違和感がなくなったとしても、新しいマウスピースを入れることでまた新たに痛みや違和感が生じることがあります。 ただしこの痛みも2~3日すると治ることがほとんどです。
引用元:秋葉原総合歯科クリニック
歯列矯正において必然性の高い痛み②歯が移動するとき
歯列矯正において必然性の高い痛みの2つ目は、歯が移動したときです。
歯列矯正の痛みは、歯を動かすためのメカニズムによって生じるといわれています。
歯科矯正は、歯に力を加えることで歯の周囲に弱い炎症反応を起こし、それを利用して歯を移動させます。したがって、この痛みはある程度生じるものとして、覚悟しておいた方が良いでしょう。
引用元:葛西モア矯正歯科
なお、一般的には歯の動き始めが痛みのピークで、時間の経過とともに和らぎます。
痛みの感覚は「歯が浮いたような痛み」「うずくように痛む」と例える人が多いです。
歯列矯正において必然性の高い痛み③ものを噛むとき
歯列矯正において必然性の高い痛みの3つ目は、ものを噛むときです。
矯正装置によって圧力がかかり動かされている状態の歯は、とても敏感になっています。食事などでものを噛んだり、何かの拍子に上下の歯がぶつかったりすると、その衝撃で痛みを感じたり、一時的に痛みが増すことがあります。
まったく初めての状態から歯列矯正をスタートした人は、慣れるまでは痛みに加えて違和感を感じることもあります。
歯列矯正中は、痛みの原因になりやすい肉やりんご、パンなどの固い食べ物は避けるのがおすすめです。
歯列矯正においてイレギュラーな痛み
続いて、そこまで頻度は高くないけれども稀に起りうる、イレギュラーな痛みを紹介します。
下記の3つが原因で痛みがあるときは、早めにかかりつけの歯科医院に相談してください。
歯列矯正においてイレギュラーな痛み①ワイヤーが刺さって痛い
歯列矯正においてイレギュラーな痛みの1つ目は、ワイヤーが刺さって痛いときです。
こちらはマウスピース矯正では起こらない、ワイヤー矯正特有のケースといえます。
奥歯のワイヤー処理が甘いと違和感や痛みを覚えやすくなります。調整を行ったあとは、舌や頬を動かしてワイヤーが当たっていないか入念に確認するようにしましょう。少しでも気になるようであれば、遠慮なく処理をしてもらうことが大切です。
引用元:吉祥寺セントラルクリニック
上記のように、装置に使用している金属のワイヤーが歯茎や粘膜に当たることで起こる痛みです。
ワイヤーをメンテナンスしない限り続く痛みなので、早めの受診をおすすめします。
歯列矯正においてイレギュラーな痛み②装置が頬や舌に当たって痛い
歯列矯正においてイレギュラーな痛みの2つ目は、装置が頬や舌に当たって痛いときです。
こちらもマウスピース矯正よりも、ワイヤー矯正の方が起こりやすいケースです。
矯正方法によっては装置が口内に当たることがあり、痛みが生じます。 頬や歯肉、舌に痛みを伴うことが多く、口内が狭いほど傷つけやすいといわれています。
引用元:NICO矯正歯科
装置によるキズが口内炎の原因になる可能性もあります。
痛みや違和感を感じたときは、早めにかかりつけの歯科医院に連絡しましょう。
歯列矯正においてイレギュラーな痛み③歯周病や虫歯になって痛い
歯列矯正においてイレギュラーな痛みの3つ目は、歯磨きが不十分で歯周病や虫歯になって痛いときです。
装置をつけて生活していると、どうしても口腔内が不衛生になりがちです。 付着した汚れが歯みがきで除去できず、歯周病や虫歯の原因となってしまうこともあり危険。 もし痛みが生じた場合には、すぐに歯科医院へ連絡しましょう。
引用元:NICO矯正歯科
特にワイヤー矯正の場合は、装置の間に食べたものが残りやすいです。
飲食をしたあとはしっかりと歯磨きに時間を取るようにし、虫歯や歯周病を防ぐことが大切です。
歯列矯正の痛みのピークはいつまで?
歯列矯正の痛みのピークは、一般的には矯正装置装着後3〜4日と言われています。
ただ、この歯が動く際の痛みは、装置装着や調整後の3〜4日間がピークだと言われています。個人差がありますが、1週間程度経つと、徐々に痛みが和らいできます。
引用元:天神歯科・矯正歯科
歯列矯正の痛みのピークは装置をつけた当日やワイヤーを調整した初日、マウスピースを交換した初日で、多くは2〜3日から1週間程度で痛みが引くといわれています。
ただし、耐えられないような痛みが長く続く場合や、眠れないくらい痛い場合は下記のように別の原因も考えられます。
歯が動いている痛みは数日で治まることが多いですが、痛みが引かない場合は他の問題が発生している可能性が考えられます。その場合は、医院へ連絡して状態を確認してもらうようにしましょう。
引用元:吉祥寺セントラルクリニック
当てはまる場合は速やかにクリニックに確認しましょう。
装置によって痛みが変わる?痛みが少ない治療法とは
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ないといわれています。
トータル的にはマウスピース矯正の方がワイヤー矯正よりも、痛みの頻度や度合いは低くなります。過去にワイヤー矯正を経験し、その後インビザラインで矯正をされた患者さまの中には、インビザラインではほとんど痛みを感じなかったとおっしゃる方もいらっしゃいます。
前述したように、ワイヤー矯正の装置の凹凸や、ワイヤーの出っ張りによる痛みがマウスピース矯正ではほとんど起こらないのも特徴です。
また「セルフライゲーションブラケット」タイプの装置は、歯列矯正特有の痛みが少なめといわれています。
下記は、セルフライゲーションブラケットの特徴です。
従来のブラケットはワイヤーを固定するものでしたが、こちらのブラケットは、ホルダー部分にワイヤーを通すだけなので、必要以上の力がかからない特徴を持ちます。歯に力をかけすぎないことで、矯正治療特有の痛みを抑えてくれる他、歯周組織に負担をかけすぎないので、歯の動きも早まる効果があります。
セルフライゲーションブラケットの説明/引用元:天神歯科・矯正歯科
歯科矯正による痛みに耐えられるかどうか不安な人は、マウスピース矯正やセルフライゲーションブラケットを検討してみてください。
【対処法】歯列矯正の痛みを和らげるためのコツ
ここまでは、歯列矯正の痛みの原因やどのタイミングで痛みやすいのかを紹介しました。
ここからは、実際に痛みが出たときの対処法や、痛みを和らげるためのコツを見ていきます。
ぜひ、下記の5つのポイントを覚えておいてください。
歯列矯正の痛みを和らげるコツ①痛み止めを飲む
歯列矯正の痛みを和らげるコツの1つ目は「痛み止めを飲む」です。
歯列矯正中に耐えられないくらい痛むときは、痛み止めの服用を検討しましょう。
もともと痛みに弱い人は、診察時にその旨を伝えて、事前に薬を処方してもらうのもひとつの手です。
ただし、痛み止めの使用には注意も必要です。
治療中に痛みが生じた場合、我慢できなければ市販の痛み止めで緩和させることが可能です。 ただし薬を飲むことで歯の移動に影響が出ることもありますので、服用を検討される場合は必ず担当医へのご連絡をお願いします。
引用元:NICO矯正歯科
痛み止めは歯列矯正の働きに影響が出ることもあるので、服用する前に病院に確認しましょう。
歯列矯正の痛みを和らげるコツ②冷やす
歯列矯正の痛みを和らげるコツの2つ目は「冷やす」です。
痛みの度合いによっては、冷やすことで和らげられる可能性があります。
冷やすときは、凍らせた保冷剤や氷をタオルなどで包んで、痛みのある部分にやさしく当てましょう。
ただしこちらも、痛み止めと同じく歯列矯正の動きに影響を与える可能性があります。
矯正治療による痛みは、場合によって冷却で緩和させられることがあります。 ただし、中には矯正装置の力が弱くなってしまうこともあり自己判断で行うのは高リスクです。 有効であるかどうか判断しますので、当院へ一度ご相談ください。
引用元:NICO矯正歯科
冷やす前に有効かどうかや、冷やして良いかどうかは歯科医院に確認してください。
歯列矯正の痛みを和らげるコツ③固いものを食べないようにする
歯列矯正の痛みを和らげるコツの3つ目は「固いものを食べないようにする」です。
強い力で固いものを噛むと、矯正治療で刺激に敏感になった口元に鋭い痛みが走るケースがあります。
【避けた方が良い食べ物】
- 根菜(ごぼう、れんこん、にんじんなど)
- スルメイカ
- 塊のお肉
- フランスパン
- おせんべい
【おすすめの食べ物】
- おかゆ
- ヨーグルト
- やわらかいパン
- 豆腐料理
- 野菜スープ
- 柔らかめの麺類
- ゼリー飲料
上記の避けた方が良い食べ物は選ばず、おすすめの食べ物を選びましょう。
歯列矯正の痛みを和らげるコツ④矯正用のワックスで保護する
歯列矯正の痛みを和らげるコツの4つ目は「矯正用のワックスで保護する」です。
このコツは、ワイヤー矯正をしている人に有効です。
ワイヤー矯正では、金属の凹凸部分が口の中に当たって痛むケースがあります。
そのときは、粘土状になった歯科矯正用のワックスを使って、金属のギザギザした部分を保護してみてください。
ワックスは歯科医院で購入でき、基本的には自分で取り付けます。
もし万が一ワックスを飲み込んでしまっても問題がないといわれており、矯正初心者にも、おすすめのアイテムです。
ワックスが外れたことに気づかないまま、飲みこんでしまっても体に害はありません。
外れてしまった場合は、新たにワックスを装着しましょう。
また、お食事の際にはワックスを取り除いてから食べるようにされてください。
引用元:福岡天神矯正歯科
歯列矯正の痛みを和らげるコツ⑤歯科医院に行って診てもらう
歯列矯正の痛みを和らげるコツの5つ目は「歯科医院に行って診てもらう」です。
医師の目で診てもらうことは安心感に繋がりますし、その人ならではの痛みの原因を見つけられる可能性が高まります。
具体的には、ワイヤーが原因であればワイヤーのカット、マウスピースが合っていない場合は削るなどの処置が受けられます。もしくは自分では気づかなかった虫歯が、痛みの原因だったと判明するかもしれません。
痛みに不安を感じたときや気になる痛みがあるときは、かかりつけの歯科医院に相談してみてください。
歯列矯正による痛みで日常生活に影響は?
歯列矯正による痛みは、日常生活に影響を及ぼすのでしょうか。
下記の2点が、歯列矯正において特に注意が必要なポイントです。
ぜひ覚えておいてください。
食事のときに注意する必要がある
マウスピース矯正と違ってワイヤー矯正の場合は取り外しができないため、食事の影響を受けやすいといわれています。
取り外せない固定式装置の場合、食事に少し影響がでます。基本的には何を食べても問題ないのですが、食べ方に注意をして頂きたいと思います。
引用元:ジョイスマイル矯正歯科
また、しっかり噛む必要のある固い食べ物は、鋭い痛みが走る可能性があるので避けましょう。
例えば、堅焼きせんべいを勢いよく噛むと、装置に瞬間的に過剰な力がかかり、壊れて外れてくる恐れがあります。氷や飴をガリッと噛んでも破損・脱落の可能性があります。歯を動かせるための矯正力をかけた治療直後の場合に、このような瞬間的で過剰な力がかかると、猛烈な痛みを伴うこともありますのでますます注意が必要です。
引用元:ジョイスマイル矯正歯科
固い食べ物は、矯正そのものを破損させる可能性もあるので注意が必要です。
痛みがある期間は、ほとんど噛まなくても良いような柔らかい食べ物を選びましょう。
歯磨きがしにくくなり虫歯のリスクが増える
こちらも主に、取り外しができないワイヤー矯正で起こりやすい日常生活への影響です。
取り外せない固定式装置の場合の歯磨きですが、一番注意して頂きたい問題です。当然ながら歯磨きがしにくくなりますから、虫歯になるリスクはとても強くなります。特に、歯の表側は唾液で食物が自然に流れる作用が弱いこともあり、装置の周囲に歯垢がつきやすくなります。
引用元:ジョイスマイル矯正歯科
マウスピース矯正は取り外しができるため、通常通り歯磨きができます。
しかしワイヤー矯正は、器具をつける前に比べて歯磨きがしづらくなるのです。
ワイヤー矯正をする人は、今まで以上に時間をかけて隅々まで入念に歯磨きをし、虫歯や歯周病を防ぎましょう。
まとめ
歯列矯正による痛みは、歯を動かす過程で起こります。
痛みが続く期間はおよそ2〜3日から1週間程度で、ワイヤー矯正であってもマウスピース矯正であっても痛みが起こる可能性は高いです。
本記事で紹介した痛みを和らげるコツ5種類と、痛みが出やすいタイミング6種類を参考にして、歯科矯正の痛み対策をしてみてください。
近年は、痛みに対するケアが入念な歯科医院や、痛みが心配な人でも安心して始められるように工夫している矯正歯科が豊富にあります。
まずは一度カウンセリングに行って、目指したい歯並びや不安な点を、気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
<参考>
歯列矯正の痛みを和らげよう!痛みの種類と対処方法を知れば治療も安心
歯列矯正に痛い?眠れないほどの痛みはいつまで?すぐできる対処法も紹介します
矯正治療は痛い?矯正歯科における痛みについて | 刈谷市で矯正歯科ならNICO矯正歯科へ
矯正治療の痛みについて | 天神歯科・矯正歯科
歯列矯正って痛いの?矯正中の痛みについて | 神戸の歯医者 三宮アップル歯科
矯正治療に痛みは付き物なのか?痛くなくても歯は動くの? | 長崎の矯正専門「すずき矯正歯科」
痛みへの配慮 | 尾崎矯正歯科クリニック
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この記事の監修者
歯科医師
髙橋 義充 先生
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