必見記事
2023/06/29
ワイヤー矯正の値段はいくら?ワイヤー矯正の種類や症状別に解説!大人と子供の違いも
目次
ワイヤー矯正は基本的に自費診療のため、数十万円〜100万円前後の値段を提示する歯科医院が多いです。
しかし、その値段の内訳はよく分からないという方も多いでしょう。
「ワイヤー矯正をしたいので、詳しい値段が知りたい!」
「大人と子供で値段は違うの?」
「高校生の場合は、子供の値段?大人の値段?」
などの疑問をお持ちの方へ、ワイヤー矯正の値段を徹底的に詳しく解説します。
ワイヤー矯正の値段
ワイヤー矯正の値段の内訳は大きく以下の4つに分けられ、これらの組み合わせで最終的な値段が決まります。
- ワイヤー矯正の種類
- 術前に行う処置
- 術中に行う処置
- 術後に行う処置
「ワイヤー矯正の種類」の値段は、基本料金のようなものです。歯科矯正治療を行うすべての人が支払います。
そのほかの術前・術中・術後に行う処置の値段は、必要に応じて支払います。歯科医院との契約内容によっては「ワイヤー矯正の種類」の値段に含まれている場合もあり、人によって支払いの有無が異なります。
ワイヤー矯正の値段①:種類による違い
ワイヤー矯正の種類は歯のどこに装置を着けるかによって、以下の3つに分けられます。
- 表側矯正
- 裏側矯正(リンガル矯正・舌側矯正)
- ハーフリンガル矯正
種類によってワイヤー矯正の値段は異なり、さらに全体矯正か部分矯正かによっても値段が変わります。
全体矯正とは、奥歯までほとんどすべての歯を動かす矯正です。一方、部分矯正は「上下の前歯12本だけ」など、一部の歯だけを動かして整えます。
それぞれの値段は、以下の通りです。
【見出し】ワイヤー矯正の種類 | 【見出し】値段 | 【見出し】特徴 |
表側矯正 |
|
歯の表側に装置を着けるワイヤー矯正です。 |
裏側矯正
(リンガル矯正・舌側矯正) |
|
歯の裏側に装置を着けるワイヤー矯正です。装置が見えないため、歯列矯正中の審美性が高いです。 |
ハーフリンガル矯正 |
|
口を開けたときに見えやすい上の歯は裏側、口を開けても見えにくい下の歯は表側に装置を着けるワイヤー矯正です。 |
全体矯正と部分矯正の値段の違いは歯を動かす範囲
歯を奥歯まで動かす全体矯正は、歯を動かす範囲が広いので治療期間が1〜3年と長く、使用する装置の数や治療回数が多く必要です。そのため、部分矯正よりも値段が高くなります。
一部の歯だけ動かす部分矯正は、歯を動かす範囲が狭いので、治療期間が数ヶ月〜1年と短いです。使用する装置の数や治療回数も少なく済むので、値段は全体矯正よりも安くなります。
裏側矯正は値段が高い
裏側矯正は、ブラケットを歯型から特注で作製するため原価が高く、ワイヤー調整にも高度な技術が必要です。
そのため、表側矯正やハーフリンガル矯正よりも値段が高くなる傾向があります。
表側矯正はブラケットとワイヤーの種類によって値段が変わる
ワイヤー矯正の装置は、1本ずつの歯に接着する「ブラケット」という四角い装置と、その上に括り付ける「ワイヤー」でできています。
表側矯正で使用するブラケットとワイヤーにはいくつかの種類があり、組み合わせで値段が変わります。
基本的に、白くて歯に馴染みやすいブラケットとワイヤーを使用した表側矯正は、原価が高いため値段も高いです。
最安は、金属のメタルブラケットとワイヤーを使用する表側矯正となります。
ブラケットの種類ごとの値段
【見出し】ブラケットの種類 | 【見出し】値段 | 【見出し】特徴 |
メタルブラケット |
|
金属でできており、目立ちます。 |
プラスチックブラケット |
|
半透明で目立ちにくいですが、セラミックやジルコニアよりも変色しやすいです。 |
ハイブリッドブラケット |
|
プラスチックとセラミックを掛け合わせた素材でできています。歯の色に馴染みやすいですが、強度や審美性はセラミックに劣ります。 |
セラミックブラケット |
|
陶器製のブラケットです。白くて透明感があるため、歯の色に馴染みやすいです。 |
ジルコニアブラケット |
|
審美性が高くて目立ちにくく、強度の高いブラケットです。 |
セルフライゲーションブラケット |
|
ワイヤーをブラケットに括り付けるための結紮線を用いないブラケットです。結紮線が変色して目立つ心配がありません。 |
ワイヤーの種類ごとの値段
ブラケットにつけるワイヤーは2種類あり、金属のワイヤーと白くコーティングされたホワイトワイヤーがあります。
矯正では、審美性の高い装置に追加料金がかかるパターンが多いです。そのため、ホワイトワイヤーの場合は、ブラケットの値段に加えて約10万円ほどの追加料金が発生することがあります。
金属のワイヤーであれば、追加料金はかかりません。
ワイヤー矯正の値段②:術前の処置
ワイヤー矯正を行うにあたり、術前に必要な費用です。
それぞれの値段は、以下の通りです。
【見出し】処置 | 【見出し】値段 |
カウンセリング | 約0〜5,000円 |
術前検査 | 約10,000〜65,000円 |
診断 | 約10,000〜50,000円 |
歯科治療(虫歯・歯周病など) | 程度により異なる。
保険適用にて治療可能。 |
カウンセリング、術前検査、診断にかかる費用は、歯列矯正をする・しないに関わらず、基本的に歯科医院で相談を行う際にすべての人が支払います。
相談する歯科医院の数が増えれば、これらの費用もたくさんかかることになります。
歯科治療の費用は、歯列矯正の前に治療が必要な人だけにかかる費用です。
ワイヤー矯正の値段③:術中の処置
ワイヤー矯正を行うにあたり、歯科医院との契約や症例によって、支払いの有無が異なる費用です。
それぞれの値段は、以下の通りです。
【見出し】処置 | 【見出し】値段 |
調整料(通院費) | 約3,000〜10,000円 |
IPR(ディスキング) | 1回あたり約5,500円 |
抜歯 | 約5,000〜15,000円 |
調整料は、通院の度に歯科医院に支払う費用です。歯科医院によっては調整料の支払いが不要な場合もあるので、契約の前に確認しましょう。
IPR、抜歯を行うかは、症例と治療目標によって決まります。
歯科医師と相談のうえ、処置が必要ない場合は0円です。
ワイヤー矯正の値段④:術後の処置
ワイヤー矯正で整えた歯並びを維持するために必要な費用です。
それぞれの値段は、以下の通りです。
【見出し】処置 | 【見出し】値段 |
術後の保定装置 | 約10,000〜60,000円 |
術後のメンテナンス | 1回あたり約3,000〜5,000円 |
矯正後は、歯の周りの組織が固まりきっていません。ワイヤーを外してから何もしないでいると、歯並びが元の状態にもどる後戻りが起きてしまいます。
後戻りを防ぐためには「保定」といって、きれいにした歯並びを保つための保定装置を装着する必要があります。
そのため、術後の保定装置作成費用は、基本的に支払いが必要です。値段は、保定装置の種類によって異なります。
術後のメンテナンスは、保定装置の調整や歯並び・噛み合わせに問題が起きていないかを確認するために行います。
症例や保定装置の種類に応じて前後しますが、メンテナンスの期間は約2年ほどで終了することが多いです。
ワイヤー矯正の値段は高校生の子供と大人で違う?
高校生はご両親から見て子供ではありますが、成長期がほとんど終わっており、永久歯も生えそろっているため、基本的には大人のワイヤー矯正と同じ値段がかかります。
ただし、子供のころに顎の成長バランスを整える治療(小児矯正)を行っていた場合は、大人の矯正よりも安い値段で矯正できる場合があります。
小児矯正をしている場合、高校生のワイヤー矯正の値段は約30〜100万円が相場です。
ワイヤー矯正の値段をお金がないときに安くするポイント
お金がないときにワイヤー矯正の値段を安くするポイントは4つです。
- ワイヤー矯正の種類を値段の安いものにする
- 保険適用で矯正歯科治療ができるか確認する
- ローンを利用する
- 医療費控除を申請する
ワイヤー矯正の種類を値段の安いものにする
ワイヤー矯正の値段は、目立ちにくいものほど高くなる傾向があります。値段を抑えることを優先するなら、ワイヤー矯正の種類を値段の安いものにするといいでしょう。
値段が一番安いのは、金属のブラケットとワイヤーを使った表側矯正です。
保険適用で歯列矯正できるか確認する
矯正歯科治療は、以下の条件に当てはまる症例なら病名がつくので、保険適用で治療できます。
- 「厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
- 前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)に対する矯正歯科治療
- 顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・手術後の矯正歯科治療
※出典:https://www.jos.gr.jp/facility
術前のカウンセリングで、保険適用でワイヤー矯正ができるか確認してみましょう。
ただし、保険適用で歯列矯正ができる歯科医院は限られています。条件の①、②に該当するなら「歯科矯正診断料算定」、条件③に該当するなら「顎口腔機能診断料算定」ができる歯科医院を受診する必要があります。
①、②は生まれつきの病気や咬合異常によるものなので、該当する人は少ないです。③の顎変形症なら、大人の矯正でも該当する可能性があるので、顎口腔機能診断料算定の医療機関を受診してみましょう。
該当する医療機関は、地方厚生局のHP(https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/)から検索できます。
ローンを利用する
デンタルローンや各種カードローンを利用して矯正の費用を分割払いにすることで、1回に支払うワイヤー矯正の値段を下げることができます。
トータルのワイヤー矯正の値段は変わりませんが、分割で少しずつ支払えるため、一度に大きな出費をしなくても済むようになります。
医療費控除を申請する
確定申告で医療費控除を申請すると、所得税の還付と翌年の住民税の控除が受けられます。
歯科医院に支払うワイヤー矯正の値段が安くなる訳ではないので、間接的ではありますが、減税という形でワイヤー矯正の値段を安くできます。
矯正で医療費控除が適用になるのは「噛み合わせの問題を治療するための歯列矯正」です。ほかにも、医科を含めていくつかの対象となる自費治療があります。
扶養関係にある家族の所得が200万円以上(※)ある人なら、医療費控除の対象となる治療費用を年間10万円以上支払った場合に申告できます。
見た目のためにワイヤー矯正を行っても、噛み合わせの改善が目標に含まれている場合は対象となるので、申告してみるのがおすすめです。
※所得によります。所得が200万円未満の場合は、所得の5%以上です。
ワイヤー矯正の値段は種類や症例によって異なる
ワイヤー矯正の値段は、装置を着ける位置やブラケット・ワイヤーの種類、症例の難易度によって異なります。
ワイヤー矯正の値段は、全体矯正で約60〜170万円が相場です。これを基準として、自分の通いたいと思える歯科医院や信頼できる歯科医師をカウンセリングで見つけましょう。
<参考>
ワイヤー矯正の値段相場は?平均費用を種類別に解説
外科的矯正治療 | 横浜市港北区【JOY矯正歯科クリニック】
料金案内|川崎・高津区の歯医者、【公式】溝の口佐和歯科・矯正歯科・口腔外科クリニック
全ての治療が完了した後も定期健診はありますか? | 池袋駅前歯科・矯正歯科
歯科矯正のお金がないときの5つの選択肢と安くする方法
矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは | 公益社団法人 日本矯正歯科学会
歯科矯正で医療費控除は適応できる?仕組みや条件を徹底解説!
最終閲覧日は記事更新日と同日
この記事の監修者
歯科医師
髙橋 義充 先生
矯正方法をチェック!