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2023/06/28

歯列矯正は医療費控除の対象になる?やり方と注意点を解説|e-taxでの申請方法も

目次

歯列矯正(歯科矯正)は、場合によって医療費控除の対象になることがあります。そのため、自分が医療費控除の対象ならば、これまでかかった医療費を取り戻せるかもしれません。

また、医療費控除を申請するためにはやり方や注意点も抑えておく必要があります。

ここでは、医療費控除のやり方と注意点について詳しく解説していきます。

歯列矯正の医療費控除のやり方を知る前に!そもそも医療費控除とは?

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が基準値の10万円もしくは所得総額の5%のいずれか少ない方に達したときに医療費の額を基に計算される金額の所得控除が受けられるという仕組みのことです。

なお、1年間支払った医療費は、自分だけでなく世帯を共にする家族のぶんも含めてよいです。

そのため、自分でなく扶養している家族が歯列矯正を受けた場合でも、医療費控除の申請が可能です。

歯列矯正が医療費控除となるのはどんな人?

歯列矯正における医療費控除は、すべての人が対象になるというわけではありません。歯列矯正が医療費控除の対象になるのは次のような人です。

歯科矯正歯列矯正が医療費控除の対象になる場合①|発育段階にある子ども

発育段階にある子どもは治療をしなければ、今後の成長発達へ影響が出ることがあります。子どもの場合、歯列矯正を受けるために行った歯科で歯列矯正の必要かどうかの診断がなされます。

子どもの歯列矯正は本当に必要性がなければ勧められません。なので、子どもの歯列矯正はおおむね医療費控除の対象と考えてもよいでしょう。

「発育段階にある子ども」と聞くとどのくらいの年齢が対象になるのかが気になるかもしれません。

一般的には小学校1年生にあたる6~7歳から、12歳くらいまでですと、歯列矯正が医療費控除の対象になるケースが多いようです。

歯列矯正が医療費控除の対象になる場合②|大人で審美目的以外の歯列矯正

大人の場合、見た目が気になるからなど、審美目的で歯列矯正をした場合には医療費控除の対象外です。

しかし、発音に支障が出ている、かみ合わせが悪いなど、歯列矯正をしないことが日常生活に支障をきたす場合には、歯列矯正の対象になります。

こちらは医師の診察によって、決定するため、なかには審美目的で歯列矯正を使用と受診したけど、診察の結果、上記に当てはまった場合には医療費控除を受けながら治療が可能です。

歯列矯正を医療費控除にするためのやり方を知ろう

歯列矯正を医療費控除にするには給与所得者・個人事業主に関わらず、まず確定申告をする必要があります。

所得税の確定申告とは毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額とそれに対する所得税の額を計算し、源泉徴収された税金や予定納税額などがある場合には、その過不足を精算する手続きです。医療費控除の対象者はその年の1月1日から12月31日の間で支払った医療費を計算し税務署の申告する必要があります。歯列矯正に直接かかった費用以外に交通費や薬代等も含まれるので忘れないようにしましょう。

歯列矯正を医療費控除にするための申告時に必要なもの

医療費控除の申請をするために必要な書類は以下のものとなります。

  • 医療費控除の明細書
  • 確定申告書
  • 医療通知書
  • 本人確認書類

2017分の確定申告から医療費控除は医療費の領収書が提出不要となりました。医療費の領収書の代わりに医療費控除の明細書を提出する必要があります。しかし、医療費の領収書は税務署からの提出を求められることがあるので5年間は保管しておくのが望ましいでしょう。

2022年分から確定申告書から統合された令和 年分の所得税及び復興特別所得税の申告書を使用することになっています。2021年以前については従来の申告書の書式でも問題ありません。

医療通知書とは自身が加入している健康保険組合から送られてくる書類です。交付を受けた医療通知書を添付することで明細書の記入を省略することもできます。

確定申告書を提出する際、本人確認書類としてマイナンバーカードが必要となります。マイナンバーカードがない場合は個人番号が記載された通知カードもしくは、運転免許証や保険証も本人確認書類として使用することができます。

医療費控除の申告の提出方法

医療費控除の申告書類は3つのパターンで提出が可能です。

  1. 申告時の住所地を管轄する税務署に郵送する
  2. 申告時の住所地を管轄する税務署に持参する
  3. e-tax(電子申告)で提出する

以前は税務署に足を運んで申請することが主流でしたが、現在はマイナンバーカードと健康保険証を紐付けしマイナポータルと連携することで、簡単に申告手続きができるようになりました。

紙での対応が煩わしく感じる方は国税庁の確定申告書等作成コーナーに則って作成してみてください。

医療費控除は還付申告にあたるため、申告したい年の翌年1月から申請が可能です。さらに申請したい年(医療費がかかった年)の翌年から5年以内であれば申告が可能ですので、次回の確定申告で対応することができます。

したがって、歯列矯正を2年前にやったけどもう医療費控除はできないのかなと諦めている方は、今一度書類を準備して申請をしましょう。

歯列矯正の医療費控除のやり方と注意点

歯列矯正の医療費控除のやり方をおさえたうえで、注意しておきたい点も3つおさえておきましょう。

医療費控除の申請は複雑で、一度やり方を間違えたり書類に不備があったりするとその後の手続きが面倒になってしまうかもしれません。

一発で漏れなく申請できるようにやり方を知っておきましょう。

治療中に年が変わってしまった場合のやり方

治療中に年が変わるときは、それぞれの年に支払った医療費の額が、各年分の医療費控除の対象となってしまいます。なのでそれぞれの年で申請をする必要があります。

例えば、2022年11月~2023年4月まで歯列矯正をしたとしましょう。

そうすると、2022年にかかった2カ月分の医療費は2022年のものとして申請し、2023年にかかった4カ月分のものは2023年ぶんとして申告します。

ですので、年が変わった後の明細などは必ず取っておく必要があります。

歯列矯正をするための交通費も医療費控除の対象!

公共交通機関を使用した場合には通院でかかった交通費もすべて医療費控除の対象になります。

ただし、自家用車にかかるガソリン代などは、医療費控除の対象外となるので気をつけましょう。電車賃、バス代、タクシー代は領収書の添付が必要になりますが、バスや電車の場合領収書は発行されません。

ですので、支払いのたびに、利用日や行き先の病院、交通機関名、実際に支払った金額を記録しておきましょう。この記録をもとに書類を作成します。

この場合は、書類の「その他の医療費」という部分に記載が可能です。

また、子どもの歯列矯正をする方で、子どもが小さくて1人で通院できないという場合には付き添った保護者の交通費も医療費控除の対象となります。

歯列矯正の医療費控除に診断書は必要?

2021年(令和3年)から、医療控除の際「医療費控除の明細書」の添付が義務づけられ、医療費控除の内訳を明確にすることが必要になりました。

医療費のおしらせともいわれている、医療保険者から交付を受けた「医療費通知」があれば、この通知を持って医療を受けたことが証明され、明細書は不要となります。

しかし、医療費通知が出されていないという場合など、歯列矯正を審美目的以外で受けた理由の証明ができなければ、診断書を求められることがあります。

確実に医療費控除を提出したい方は先に診断書も作って持って行っておくというのも1つの手段といえるでしょう。

e-tax(電子申告)でのやり方・注意点は?

e-tax(電子申告)でのやり方

歯列矯正の医療費控除をe-Taxで申請するやり方を流れにしてまとめますので、こちらを参照してみてください。

  1. ログイン: e-Taxを開き、マイナンバーカードを使ってログインします。
  2. 申告書の選択: 所得税の確定申告書を選択し、指示に従って情報を入力していきます。
  3. 医療費控除の申告: 医療費控除の欄に進み、歯列矯正で支出した医療費の合計額を入力します。1年間で10万円超の医療費(年収によっては2万円超)があれば、その超えた部分が控除対象になります。
  4. 必要書類のアップロード: 領収書や支払証明書などの書類をスキャンしてアップロードします。これらの書類は確定申告書の添付資料として提出します。
  5. 申告書の送信: すべての情報を確認した後、申告書を電子的に送信します。

e-tax(電子申告)で申請する際の注意点は?

  • 医療費控除を受けるためには、歯列矯正を含む1年間の医療費の合計が自己負担で年間10万円(収入に応じて変動あり)を超える必要があります。
  • 領収書や支払証明書は申告の際だけでなく、申告後も一定期間(5年間など)保管する必要があります。

最新の情報や詳細な手順については、国税庁のウェブサイトやお住まいの自治体の指示に従ってください。また、複雑な税務状況の場合は、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。

歯列矯正の医療費控除でいくら戻るの?

歯列矯正で医療費控除がいくら戻ってくるのかも知っておくことで、歯列矯正への予算も立てやすいかもしれません。

歯列矯正の医療費控除でいくらくらいお金が戻るのかをご紹介します。

歯列矯正で医療費控除を活用して戻るお金はいくら?

還付金は1年間で支払った医療費(10万円以上)から、医療保険などの保険金と10万円を差し引いた金額が、医療費控除の対象となります。

さらにこの金額から、申告者が支払っている税金(所得税)の税率をかけた金額となるので、その人の収入とかかった医療費によって戻るお金は異なります。

歯列矯正で医療費控除をしたらどのくらいお金が戻るのかを見てみよう

歯列矯正で医療費控除をした場合どのくらいのお金が戻るのかを知るために、ここでは「所得500万円で歯列矯正に50万円かかっり、保険金で補填されない場合」を例にして、医療費控除を算出してみましょう。

まずは、控除額を算出します。控除額は「実際に支払った医療費の合計-保険金などで補填される金額-10万円」で求められます。

この場合は50-10で40万円が控除額となるのです。

 

次に還付される金額を算出します。還付される金額は「医療費控除額×所得税率」となります。

そのため、この場合は40×20%という計算式となり、戻ってくるお金は8万円となるのです。

年収によって所得税率は変わってくるので詳しくは国税庁などに確認してみてください。

まとめ

歯列矯正で医療費控除を受けるためには対象となる方が決まっていますが、対象となった場合には大きなお金が戻るので医療費控除はしておいた方がよいでしょう。

医療費控除をするときには必要な書類が立草なるので、医療費控除のやり方を理解したうえで、取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

<参考>
No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例|国税庁
歯科矯正は医療費控除の対象!やり方といくら戻るのかを解説
歯科矯正で医療費控除は適応できる?仕組みや条件を徹底解説!
矯正歯科治療の確定申告 – 歯列矯正は医療費控除の対象? | マネーフォワード クラウド
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この記事の監修者

歯科医師

髙橋 義充 先生

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