必見記事
2024/11/29
インプラント周囲炎の症状は?治療や予防法など徹底解説
目次
インプラント周囲炎は、インプラント治療後に発生しやすい口内トラブルのひとつです。
この記事では、インプラント周囲炎の症状、発症する原因、予防法までわかりやすく解説します。
インプラント周囲炎とは?
インプラント周囲炎とは、歯磨きやメンテナンスが不十分であることにより、インプラントと歯肉の間に細菌が侵入しておこる炎症のことです。
インプラント周囲炎と歯周病の違い
歯周病も、歯と歯肉の間に細菌が多く入り込み起こる感染症であり、歯周病とインプラント周囲炎の症状は類似しています。
歯周病と異なるのは、インプラント周囲炎の場合、正常組織にある歯根膜が存在しないため周囲組織に栄養が供給できないため治療することが難しくなることがある点です。
インプラント周囲炎の症状
通常の歯周病と同様に、インプラント周囲炎はその進行度合いで、症状が変わっていきます。
ここでは、インプラント周囲炎の主な症状を4つにわけて解説します。
歯茎の腫れ・出血などが起こるインプラント周囲粘膜炎
インプラント周りの炎症が、インプラントを支えている骨(歯槽骨)にまでは広がっておらず、粘膜のみで炎症が起こっている状態を、インプラント周囲粘膜炎といいます。
インプラント周囲粘膜炎では、インプラント周りの歯茎の腫れや、歯を磨いた際の出血などの症状がみられます。
インプラント周囲炎の症状①膿が出る
インプラント周囲粘膜炎からさらに悪化し、炎症が歯肉や歯槽骨まで広がると、膿が出るようになります。
これは、炎症によって破壊された歯槽骨の部分に、細菌が感染することで起こる症状です。
インプラント周囲炎の症状②歯茎が下がる
さらに、インプラント周りの歯肉や歯槽骨の破壊が進むと、歯茎が下がっていきます。
埋め込んであるはずの部分が、見えてくる場合もあります。
インプラント周囲炎の症状③インプラントがぐらつく
重度のインプラント周囲炎になると、骨がインプラントを支えることができなくなり、インプラントがぐらつくようになります。
発症する確率は?!インプラント周囲炎の原因
インプラント治療から3年後以上では、およそ10%の人がインプラント周囲炎を発症した、という研究報告もあります。
ここでは、インプラント周囲炎を予防するために、その原因を解説します。
インプラント治療後のケアが足りなかった
インプラント周囲炎は、口腔内の不衛生な状態が、主な原因となります。
しっかりと歯垢を落とす、丁寧な歯磨きなど、日常的なセルフケアや、定期的な歯科医院でのメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎を招いてしまうことがあります。
歯周病を治さずにインプラント治療を受けた
歯周病がある状態で、インプラント治療を受けた場合、手術後の傷口に歯周病菌が細菌感染し、インプラント周囲炎が起こりやすくなります。
そのため、インプラント治療を受ける前には、原則として、歯周病を治療しておく必要があります。
糖尿病である
糖尿病の場合、高血糖であることが影響し、歯周病になりやすいことと同様に、インプラント周囲炎にもなりやすい傾向があります。
喫煙している
喫煙は、血流の悪化、免疫力の低下を招きます。また、喫煙により唾液の分泌が減ると、インプラント周囲炎の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。そのため、喫煙は、インプラント周囲炎のリスクを高めます。
貧血気味である
貧血の場合、白血球や栄養を運ぶ血液が不足し、免疫力が低下しやすくなります。その結果、歯周病菌に感染し、インプラント周囲炎になりやすくなります。
歯ぎしりや食いしばりがある
歯ぎしりや食いしばりは、インプラントに負担をかけている可能性があります。その場合、インプラント周囲炎が悪化しやすくなります。
【治療法】インプラント周囲炎になったらどうする?
インプラント周囲炎の治療法は、その進行度合いによって変わります。
非外科的治療(骨の吸収が軽度の場合)
インプラント周囲炎の症状が軽度の場合、非外科的治療のみで改善することができます。
周囲の歯石を取り除く、歯周ポケットの洗浄、抗生物質の服用などの治療法があります。
外科的治療
インプラント周囲炎が進行している場合、汚れを落とすために、歯肉の切開という外科的治療が必要になることがあります。
また、骨の吸収が進み、インプラントを維持できなくなった場合は、インプラントを撤去することになります。
インプラント周囲炎を放置してはいけない理由
インプラント周囲炎を放置すると、症状が悪化し、治療の負担が大きくなっていきます。
インプラント周囲炎は、通常の歯周病よりも、初期症状が気づきづらく、進行速度もはやい炎症です。
そのため、インプラント周囲炎は、放置せずに早急な治療が必要です。
【予防法】インプラント周囲炎を起こさないために
ここでは、4種類のインプラント周囲炎の予防法を紹介します。
セルフケアを徹底する
インプラント周囲炎の原因は、口腔内が清潔に維持されていないことにより広がる細菌感染です。そのため、日々の歯磨きなどのセルフケアが重要です。
歯ブラシのみでは十分に汚れを落とすことができないときは、デンタルフロスや歯間ブラシを使用し、プラークや歯石を取り除きましょう。
歯科医院でメンテナンス
インプラント周囲炎の予防には、セルフケアのみでは不十分なことがあります。定期的に歯科医院で口内清掃や、チェックをしてもらう必要があります。
歯科医院での定期検診は、初期症状に気づきづらいインプラント周囲炎に対して、早期発見につながるため、有効です。
禁煙
喫煙は、インプラント周囲炎のリスクを高めるため、予防には禁煙が必要です。
生活習慣の改善や全身の病気のコントロール
貧血や糖尿病、骨粗しょう症などは、インプラント周囲炎や、インプラント周囲炎になった際のインプラントの脱落のリスクを高めます。
そのため、生活習慣の改善や、口内のみならず全身の病気のコントロールも大切です。
まとめ
インプラント周囲炎は、インプラント周りで起こる、歯周病と類似した症状の炎症です。
口内環境が清潔に保たれていない、口内の免疫力が低いことで発症するため、口内のメンテナンスや生活習慣に気をつけることが、予防になります。
通常の歯周病よりも進行速度がはやいため、違和感を持った場合は、放置せずに早期に治療しましょう。
<参考>
インプラント周囲炎について – 東松戸総合歯科クリニック|松戸市・市川市/秋山駅 | 東松戸総合歯科クリニック|松戸市・市川市/秋山駅
インプラントの周囲炎とは?原因や歯茎のケアの方法を紹介 | 横浜市中区本牧の歯医者 秋元歯科クリニック
インプラント周囲炎とは?歯周病との違いや症状、治療法について詳しく解説!
歯周病患者における口腔インプラント治療指針およびエビデンス2018
インプラント周囲炎の原因・治療・長持ちさせるポイント – 志木の歯医者・ファミリー歯科医院
インプラント周囲炎│痛みの原因と治療法│イシカワ歯科・矯正歯科
放置してはいけない!インプラント周囲炎になったらどうしたらいい?
インプラント周囲炎にならないための基礎知識と予防 | 南海和歌山大学前駅の歯医者 かわさきデンタルクリニック
最終閲覧日は記事更新日と同日
矯正方法をチェック!