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2024/10/07
矯正中の歯磨きのやり方|外出時・昼できないときの対処法、サボるリスク、おすすめグッズを紹介!
目次
矯正中は矯正器具が歯についているため、歯磨きが複雑になって面倒だと感じることが多いでしょう。
しかし、矯正中の歯磨きをサボると虫歯や歯周病になり、矯正治療を続けられなくなってしまうことがあります。
今回は、矯正中の歯磨きのやり方のコツ、外出先や昼に歯磨きできない時の対処法、矯正中の歯磨きをサボるリスクについて詳しく解説します。
矯正中の歯磨きはどのくらいの頻度で何分するのが正しいのか、矯正中に歯磨きすると歯が痛いのはなぜか、矯正中におすすめの歯磨きグッズもご紹介しますので、参考にしてみてください!
コツを知れば簡単!矯正中の歯磨きのやり方
矯正中の歯磨きは普段よりも複雑で時間がかかりますが、コツを抑えることで短時間で的確に歯磨きができるようになります。
歯みがきの基本は、矯正中も変わりません。
歯ブラシは小刻みに動かしやすいよう、鉛筆持ちで持ちましょう。
力加減は、歯ブラシを当てたときに毛先が曲がらないくらいの優しい力が理想です。
1箇所につき10〜20回くらいを目安に歯ブラシで擦ると、汚れが落ちやすいでしょう。
この基本を抑えながら、矯正中の歯磨きのやり方をワイヤー矯正、マウスピース矯正に分けて確認してみましょう。
矯正中の歯磨きのやり方①|ワイヤー矯正の場合
ワイヤー矯正の場合は、ワイヤーの上下、ブラケットの周りに歯ブラシを当てて丁寧に磨くのが大切です。
以下の手順で磨きましょう。
- ブラケットを磨く
ブラケットの真上から歯ブラシを垂直に当てて、左右に小刻みに動かしながら磨きます。 - ワイヤーの上下を磨く
ワイヤーに歯ブラシの毛先を斜め45度に向けて歯ブラシを当て、左右に小刻みに動かします。
まずはワイヤーの上部を磨き、次にワイヤーの下部を磨きましょう。 - 歯と歯の間を磨く
歯と歯の間は歯ブラシが入り込まず届かないため、ワンタフトブラシ、歯間ブラシ、フロスをワイヤーの下に潜り込ませて磨きます。
矯正中の歯磨きのやり方②|マウスピース矯正の場合
マウスピース矯正の場合は、アタッチメントの周りに汚れが溜まりやすいため、重点的に磨きましょう。
また、マウスピースにも汚れがつくので、外したら洗浄しましょう。
歯をきれいに磨いてもマウスピースが汚れていれば虫歯や歯周病になるので、注意が必要です。
以下の手順で磨くのがおすすめです。
- マウスピースを外して洗う
マウスピースを外したら、流水下で歯ブラシで優しく擦り洗いします。
歯磨き粉を使うと研磨剤でマウスピースが傷つくため、何もつけずに歯ブラシで擦りましょう。 - 歯面とアタッチメントの周りを磨く
マウスピースを外したあとの歯は、いつも通りに磨くことができます。
アタッチメントの周りは凸凹しているため、歯ブラシをアタッチメントに対して斜め45度の角度で当てて磨きましょう。 - 歯と歯の間を磨く
歯と歯の間は、フロスや歯間ブラシを使って磨きます。
マウスピース矯正中は、歯を動かす過程で歯と歯の間に隙間ができることがあります。
隙間には食べかすが溜まりやすいため、歯と歯の間のケアは特に重要です。
隙間が大きい場合は、歯間ブラシを使うと効率よく食べかすや汚れを落とすことができます。
矯正中の歯磨きを外出先や昼できないときの対処法
矯正中は歯に食べかすや汚れがつきやすいため、毎食後歯磨きをするのが望ましいです。
しかし、必ずしも外出先でしっかりと歯磨きができる環境や時間があるとは限りません。
仕事の日は、お昼休みに歯磨きをするための十分な時間が取れないことも多いでしょう。
外出先やお昼休みに歯磨きができない場合は、水でよくぶくぶくうがいをして食べかすをできるだけ洗い流します。
このときに、可能であればマウスウォッシュでうがいをすると爽快感が得られます。
また、以下のような殺菌成分が配合された薬用のマウスウォッシュであれば、水だけでうがいをするよりも虫歯、歯周病、口臭を一時的に予防することができるのでおすすめです。
- グルクロン酸クロルヘキシジン(CHG)
- 塩化セチルピリジウム(CPC)
- 塩化ベンゼトニウム(BTC)
ただし、水やマウスウォッシュでうがいをしても歯磨きの代わりにはなりません。
応急的な対処にしかならず、歯の汚れは歯ブラシで擦らないと落ちないため、外出先で時間ができたタイミングや自宅に帰ったタイミングで歯磨きをしましょう。
矯正中に歯磨きをサボる3つのリスク
歯磨きをしないとプラークや歯石が溜まります。
これらは、以下のようなトラブルを引き起こすため、矯正中の歯磨きはサボらないようにしましょう。
- 虫歯・歯周病になる
- 口臭が発生する
- 歯が黄ばむ
矯正中に歯磨きをサボるリスク①|虫歯・歯周病になる
歯磨きをサボるしかし、矯正中はワイヤーやマウスピースを歯につけることで、治療前よりもさらに歯の汚れが溜まりやすく、と歯の汚れ(歯垢・歯石)が溜まり、虫歯や歯周病になる可能性が高いです。
歯垢や歯石は虫歯や歯周病の原因です。
量が多くなるほどこのような病気に罹るリスクも高くなります。
矯正中であるかに関わらず、歯磨きをサボると同様のリスクは生じます。
せっかく矯正治療で歯並びを整えても、虫歯で歯が溶けてしまっては意味がありません。
歯周病も歯を支える骨や歯茎を溶かす病気のため、整えた歯並びが土台から崩れることになります。
口の健康を根底から揺るがす事態に陥ってしまうため、歯磨きはサボらないようにしましょう。
矯正中に歯磨きをサボるリスク②|口臭が発生する
歯の汚れは、口臭にも直結します。
歯磨きをサボると、歯や矯正器具に溜まった汚れから不快な臭いを放つ口臭が発生します。
口臭は単にコミュニケーションで他人に不快な思いをさせるだけでなく、さまざまな病気のサインでもあります。
歯磨きをサボって口臭がする場合は、虫歯や歯周病などの病気に既に罹っている可能性もあるため注意しましょう。
口臭がする病気として代表的なのは、歯周病です。
歯周病になると、歯と歯茎の境目で繁殖した歯周病菌がドブのような強烈な臭いを作り出し、これが口臭となります。
矯正中に歯磨きをサボるリスク③|歯や矯正器具が黄ばむ
歯についた汚れは、歯や矯正器具の黄ばみを引き起こす可能性があります。
歯垢、食べ物や飲み物に含まれる着色物質が歯磨きをサボることで歯に停滞し、黄ばみや変色を引き起こすのです。
また、セラミックやプラスチックでできたブラケット、ゴム製の矯正器具、マウスピース、アタッチメントなども歯磨きをサボることで黄ばんだり変色したりします。
矯正中はホワイトニングができないケースが多く、矯正器具も簡単に取り替えることができない場合があります。
治療中の見た目にも関わるため、歯磨きはしっかりと行うようにしましょう。
矯正中の歯磨きQ&A
矯正中の歯磨きはいつもと違うため、さまざまな疑問が湧きやすいです。
- 矯正中の歯磨きの頻度はどのくらいがベスト?
- 歯磨きの時間は何分くらいが適切?
- 矯正中の歯磨きが痛いのはなぜ?
これらの矯正中の歯磨きに関してよくある質問をまとめましたので、チェックしてみましょう。
矯正中の歯磨きの頻度はどのくらいがベスト?
矯正中の歯磨きは1日3回、毎食後磨くのがベストです。
これは、矯正していない場合でも同じです。
歯の汚れは、飲食のたびに歯に付着します。
そのため、歯科的な観点から言えば食べたら磨くようにするのが望ましいといえます。
しかし、矯正中は歯磨きに時間がかかるため、外出先や昼に歯磨きを十分にすることができない人も多いです。
そのような場合は、1日最低でも1回は時間をかけて丁寧に歯を磨くようにしましょう。
1回しか丁寧な歯磨きができないなら、就寝前に行うのがおすすめです。
就寝時は唾液の分泌量が減って、1日の中でもトップクラスで虫歯や歯周病を引き起こす口内細菌が活発化するタイミングです。
寝る前の歯磨きを丁寧にすることで、活動する口内細菌の量を減らすことができます。
矯正中の歯磨きの時間は何分くらいが適切?
矯正中の歯磨きは、歯ブラシで歯を磨き、フロスや歯間ブラシを使って歯と歯の間まできれいにしようとすると、40分ほどの時間がかかるといわれています。
しかし、どのくらい時間がかかるかは、その人が矯正器具をつけた歯のケアに慣れているか、口の状態がどのくらい細かいところまでケアが必要な状態か、使用している矯正器具の形などによって個人差があるでしょう。
実際は、歯磨きにかける時間を気にするよりも、きちんと歯が磨けているかが重要です。
適切に歯ブラシやフロスなどのケア用品を使って歯磨きできているかを知りたい場合は、通っている矯正歯科でアドバイスをもらうのがおすすめです。
矯正中の歯磨きが痛いのはなぜ?
矯正中は、歯磨きのときに歯が痛いと感じる場合があります。
これは、歯ブラシの圧が刺激となり、矯正器具で歯を動かすときの痛みが強くなることがあるからです。
ワイヤーを調整したあとや新しいマウスピースに交換した直後は、新しい力が加わっているため痛みを感じやすいタイミングです。
このタイミングで歯磨き中に痛みを感じることはありますが、2〜3日で落ち着くので様子をみましょう。
また、歯ブラシを強く押し当てると痛みを感じやすいため、痛すぎないくらいの力加減で優しく歯を磨くといいでしょう。
矯正中におすすめの歯磨きグッズ
矯正中におすすめの歯磨きグッズ①|歯ブラシ
マウスピース矯正の場合は、ワイヤーのような複雑な装置が歯についていないため、一般的な歯ブラシで問題ありません。
しかし、矯正治療にワイヤー矯正を選択した場合は、ブラケットがついている歯のために設計された矯正用の歯ブラシを使用するのもおすすめです。
矯正用の歯ブラシには以下のようなものがあり、ブラケットやワイヤーの周りを効率よく磨ける設計になっています。
- 山型カット
ブラシ部分が山型にカットされている歯ブラシです。
ワイヤーの上下から歯ブラシを当てたときに、歯とブラケットの境目にブラシの形がフィットしやすい形状です。 - 2列型
ブラシが2列植毛になっている細い歯ブラシです。
一般的な歯ブラシはヘッドの部分に3列以上植毛されているものが多いです。
そのため、2列型の歯ブラシは一般的な歯ブラシよりも横幅がスリムで、ワイヤーの上下の狭い隙間にブラシを当てやすい設計となっています。 - U字型
ブラシの中央の毛束だけが短くカットされている歯ブラシです。
ワイヤーの真上から歯ブラシを当てたときに、中央の窪みにワイヤーがすっぽりとハマる設計になっているため、ワイヤーの上下を一気に磨くことができます。
矯正中におすすめの歯磨きグッズ②|ワンタフトブラシ
ワンタフトブラシとは、歯ブラシの先に円錐、または円柱のブラシが1束だけついている小さな歯ブラシです。
磨きたい部分にピンポイントでブラシを当てられるため、一般的な歯ブラシよりも細かいところまで磨くことができます。
ワイヤーの下、歯と歯茎の境目、抜歯した両隣の歯の側面などをしっかり磨けるので、矯正中に1本持っておくと便利です。
矯正中におすすめの歯磨きグッズ③|フロス
歯と歯の間は、歯ブラシだけでは十分に磨けないため、フロスできれいにしましょう。
マウスピース矯正の場合は、基本的にすべてのタイプのフロスを一般的な方法で使うことができます。
ワイヤー矯正の場合は、ワイヤーが邪魔で一般的なやり方でフロスを通すことができません。
方法はありますが、1回ごとにワイヤーの下にフロスを潜らせてから歯と歯の間に通すことになるため、時間もかかってしまいます。
このような場合は、ワイヤー矯正用のホルダー付きフロスがおすすめです。
ワイヤー矯正用のフロスはホルダーの一方が薄くなっており、ワイヤーの下に入り込む設計のため、矯正前と同じようにフロスを使うことができます。
外出先でも素早く歯と歯の間に挟まった食べ物を取り除くことができるので、矯正中に持っておくと便利なアイテムの一つです。
矯正中におすすめの歯磨きグッズ④|歯間ブラシ
ワイヤーの下にあって磨きにくいブラケットのサイド部分、抜歯した両隣の歯の側面を磨くのに最適なグッズです。
フロスだと緩すぎて効率よく磨けないような大きめの隙間で、歯ブラシやワンタフトを当てることが難しい部分を磨くのに適しています。
矯正中におすすめの歯磨きグッズ⑤|ジェットウォッシャー
ジェットウォッシャーは、水流の力で歯と歯の間や歯と歯茎の境目にある歯周ポケットの汚れを落とす歯磨きグッズです。
フロスや歯間ブラシを使わなくても矯正装置の細かい隙間の汚れを素早く落とすことができるため、できるだけ効率よく矯正中の歯磨きを終えたい方におすすめです。
単に強い水流で汚れを押し流すタイプ、水流に超音波を組み合わせることで高い洗浄力を発揮するタイプなど、さまざまなものがあります。
まとめ
矯正中の歯磨きは普段よりも複雑で時間がかかるため、コツを抑えて歯磨きをすることが大切です。
ワイヤー矯正の場合は、ワイヤーの上下やブラケットの周りに歯ブラシや歯間ブラシを当てて丁寧に磨きましょう。
できれば矯正用のフロスを使って歯と歯の間まできれいにするのがおすすめです。
マウスピース矯正の場合は、矯正前と同じように歯磨きが可能ですが、アタッチメントの周りには汚れが溜まりやすいため、重点的に磨きましょう。
また、マウスピースに汚れが溜まると虫歯や歯周病の原因になります。
外したら流水下で歯ブラシを使って擦り洗いするようにしましょう。
矯正中の歯磨きは、円滑に矯正治療を進めるために非常に大切なケアです。
矯正器具やライフスタイルに応じて自分に合った方法を知りたい場合は、歯科医院でアドバイスをもらうのがおすすめです。
〈参考〉
ブラケット装置と歯磨き | 所沢市の矯正専門歯科 やまぐち矯正歯科
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この記事の監修者
歯科医師
髙橋 義充 先生
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