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2024/09/10
インプラントオーバーデンチャーとは?デメリット、年齢、寿命、金額、手順を解説!
目次
「入れ歯が合わなくて使いにくい」という声は、入れ歯ユーザーの方からよく聞かれる意見です。
多数の歯を失ったときに歯の機能や審美性を回復するのに用いられる入れ歯ですが、ズレやすくて上手く食べ物が噛めなかったり、喋りにくかったりして不便を感じている人は多いです。
このような方におすすめなのが、ズレにくくて快適に使えるインプラントオーバーデンチャーです。
今回は、インプラントオーバーデンチャーとは何か、オールオン4との違い、メリット、デメリット、治療の適応年齢、寿命、金額、治療の手順まで徹底的に解説しますので参考になさってください!
インプラントオーバーデンチャーとは
インプラントオーバデンチャーとは、インプラントで支える入れ歯です。
2〜6本のインプラントを固定源として使用することで、保険適用の入れ歯よりも安定性と快適性の高い入れ歯にすることができます。
インプラントとは、失った歯の代わりに顎の骨に埋め込む小さいネジのようなパーツ(人工歯根)です。
インプラントの上に単体の人工歯を取り付けて1本の独立した歯として使ったり、入れ歯やブリッジを被せて固定源として使用したりできます。
インプラントはさまざまな治療に応用されています。
例えば、インプラントの上に入れ歯を取り付けるものを「インプラントデンチャー」、ブリッジを取り付けたものを「オールオン4」と呼びます。
インプラントオーバーデンチャーとオールオン4の違い
インプラントデンチャーと似ている治療法としてオールオン4という治療があります。
どちらもインプラントを使用して失った複数の歯を補う治療なので、似たような印象を受けますが、両者には以下のような違いがあります。
【見出し】 | 【見出し】インプラントオーバーデンチャー | 【見出し】オールオン4 |
【見出し】必要なインプラントの本数 | 2〜6本 | 4本以上 |
【見出し】形 |
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【見出し】適応症例 | 部分入れ歯、総入れ歯の両方に適応できる | 歯をすべて失った症例のみ |
【見出し】装着感 |
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【見出し】治療期間 | 2〜3ヶ月 | 3〜6ヶ月 |
【見出し】金額 | 50〜200万円ほど | 200〜400万円ほど |
インプラントオーバーデンチャーの6つのメリット
インプラントオーバデンチャーには、以下の6つのメリットがあります。
- 入れ歯が目立ちにくい
- 入れ歯がずれにくい
- 自分で着け外しできる
- インプラントの本数が少なくて済む可能性がある
- 顎の骨の量が少なくても治療できる可能性がある
- 部分入れ歯と総入れ歯の両方に適応できる
インプラントオーバーデンチャーのメリット①|入れ歯が目立ちにくい
インプラントオーバーデンチャーは、保険適用の部分入れ歯のように金属のバネを使わずに固定します。
そのため、見た目が自然で入れ歯が目立ちにくいです。
保険適用の部分入れ歯は、健康な歯に金属のバネをかけて固定します。
口を開けた時に見える範囲の歯に金属のバネがかかると目立つため、気になる人が多いです。
インプラントオーバーデンチャーのメリット②|入れ歯がずれにくい
インプラントオーバーデンチャーは、保険適用の入れ歯よりもずれにくいです。
保険適用の入れ歯は歯茎に吸盤と同じ作用で歯茎に固定したり、バネで隣の歯に入れ歯をひっかけたりして固定します。
しかし、会話や食事の最中に入れ歯と歯茎の間に空気が入ったり、入れ歯を固定している歯がグラグラしていたりすると外れてしまう場合があります。
この点、インプラントオーバデンチャーは顎に埋め込んだインプラントで入れ歯を支えるため、保険適用の入れ歯よりもずれにくくて安定性が高いです。
入れ歯がずれにくい方がよく噛めるので、食事もしやすくなります。
インプラントオーバーデンチャーのメリット③|自分で着け外しできる
インプラントオーバーデンチャーは自分で着け外しできるので、セルフケアや入れ歯の調整がしやすいです。
固定式のオールオン4は自分で外せないので、セルフケアに時間がかかります。
インプラントオーバーデンチャーは外して歯ブラシや洗浄剤を使用するだけなので、オールオン4よりもセルフケアがしやすいです。
インプラントオーバーデンチャーのメリット④|インプラントの本数が少なくて済む可能性がある
歯を複数本失った場合でも、インプラントデンチャーなら少ない本数で治療できる可能性があります。
例えば上顎すべての歯にインプラント治療を行う場合は、約7〜8本のインプラントを埋め込むことが多いですが、インプラントオーバーデンチャーなら約2〜6本で治療できます。
インプラントは埋め込む本数に応じて治療費用や身体的な負担が増えます。
埋め込むインプラントの本数を少なくできることは、インプラントオーバーデンチャーの大きなメリットと言えるでしょう。
インプラントオーバーデンチャーのメリット⑤|顎の骨の量が少なくても治療できる可能性がある
インプラントオーバーデンチャーは、顎の骨の量が少なくても骨造成や骨移植をせずに治療できる可能性があります。
インプラントを埋め込むには、顎の骨に十分な高さと厚みが必要です。
単体のインプラントを失った歯と同じ本数だけ埋め込む場合は、インプラントを埋め込む場所すべての顎の骨の量を考慮する必要があります。
骨の量が足りないところには骨造成や骨移植のような追加の処置を行うことになるので、その分だけ治療期間も費用負担も増えるでしょう。
その点、インプラントデンチャーなら顎の骨の量が多い場所、特に前歯あたりを選んでインプラントを埋め込むことができるため、骨造成や骨移植をしなくても治療できる可能性が高くなります。
インプラントオーバーデンチャーのメリット⑥|部分入れ歯と総入れ歯の両方に適応できる
インプラントオーバーデンチャーは、部分入れ歯と総入れ歯の両方に適応可能です。
オールオン4の場合は総入れ歯にしか対応できないため、残っている歯の抜歯が必要になることがあります。
しかし、インプラントオーバーデンチャーなら残っている歯を温存できる可能性があります。
インプラントオーバーデンチャーのデメリット
インプラントオーバーデンチャーのデメリット①|歯磨きのときに外す必要がある
インプラントオーバーでデンチャーは、歯磨きをするときに外す必要があります。
自分で外せるのは清掃がしやすいというメリットにもなりますが、人によっては入れ歯を外すのと同じように恥ずかしいと感じる場合があります。
歯磨きのたびに外さなくてはいけないことを煩わしいと感じる人もいるようです。
また、入れ歯側についたロケーターと呼ばれるインプラントへのキャップはゴムが緩むため、定期的にゴム交換が必要です。
インプラントオーバーデンチャーのデメリット②|異物感が大きいと感じることがある
インプラントデンチャーは入れ歯をインプラントで支える治療です。
入れ歯の歯茎の部分(床)で自分の歯茎を覆う形になるため、装着時に異物感が大きいと感じることがあります。
また、入れ歯の歯茎部分が自分の歯茎と擦れて痛みを生じる場合があり、慣れるまでは調整が必要になることがあります。
インプラントオーバーデンチャーのデメリット③|インプラント手術ができない人は適応外
入れ歯を支えるインプラントを顎の骨に埋め込むには、外科手術が必要です。
そのため、全身疾患や服薬の関係で外科手術のリスクが高い人、術後の禁煙ができない人は、インプラントオーバーデンチャーの適応外となる場合があります。
全身疾患のある方は、担当医師に確認のうえ、身体の状態が良好な場合や薬の種類を変更することで外科手術が可能だと判断されれば適応できる可能性はあります。
インプラントオーバーデンチャーのデメリット④|自費診療となる
インプラントオーバーデンチャーは、保険適用外の入れ歯治療です。
自費診療となり、保険適用の入れ歯よりも費用負担が大きくなります。
ただし、インプラントオーバーデンチャーは医療費控除の対象となります。
医療費控除とは、1年間(1/1〜12/31)のうちに対象となる治療費を合計10万円以上(※)支払った場合に申請することができる減税制度です。
減税という形で費用を抑えることができるので、活用しましょう。
※所得200万円未満の方は、医療費の合計が1年間の所得の5%以上
40代以上でも大丈夫?インプラントオーバーデンチャーの適応条件
インプラントオーバーデンチャーには、口腔内の状態以外にも以下のような適応条件があります。
- 年齢
- 全身の健康状態
- 治療後のメンテナンスができるかどうか
一つずつ確認してみましょう。
インプラントオーバーデンチャーの適応条件①|年齢
インプラントオーバーデンチャーは、年齢だけで言えば顎の成長が完了する20歳くらい〜80歳くらいまでの人に適応できます。
全身疾患の有無や口内の状態にもよりますが、基本的にはインプラントを入れる外科手術が問題なくできる健康状態であれば、年齢に上限はありません。
実際にインプラント治療を受けた人の年代別の割合を見てみると、歯を失う人が増え始める40代以降に多い傾向があります。
【見出し】年代 | 【見出し】インプラント治療を受けた人の人数 |
【見出し】20代 | 1名 |
【見出し】30代 | 23名 |
【見出し】40代 | 105名 |
【見出し】50代 | 264名 |
【見出し】60代 | 280名 |
【見出し】70代 | 82名 |
【見出し】80代 | 16名 |
※五十嵐一 歯学博士 著書「ファイナルレストレーション装着後の口腔周囲筋ケア」より
インプラントオーバーデンチャーの適応条件②|全身の健康状態
インプラントオーバーデンチャーの治療を受けるには、全身の健康状態も大切です。
全身の健康状態は、インプラントを埋め込む外科手術を安全に行うために欠かせない要素だからです。
- 高血圧
- 糖尿病
- 骨粗鬆症
- 脳梗塞 など
このような全身疾患がある人は、術後感染を起こしやすかったり、インプラントと骨の結合が上手くいかないリスクが高かったりします。
担当医師と相談して外科手術ができないと判断された場合は、インプラントオーバーデンチャーの適応外となるので注意しましょう。
インプラントオーバーデンチャーの適応条件③|治療後のメンテナンスができるかどうか
インプラントオーバーデンチャーを長持ちさせるには、治療後のメンテナンスが適切にできるかが重要です。
インプラントは人工物ですが、インプラント周囲炎という病気を引き起こすことがあります。
インプラント周囲炎は歯の汚れが原因で起こるもので、インプラントを支える骨を溶かす病気です。
進行するとインプラントが抜け落ちてしまうため、インプラントオーバーデンチャーが早期に使えなくなってしまいます。
インプラント周囲炎を予防するには毎日セルフケアを行い、定期的に歯科医院でのメンテナンスを受けて口内を清潔にしておく必要があります。
術後のセルフケアや歯科医院のメンテナンスを受けられない人は、インプラントオーバーデンチャーが使えないので注意しましょう。
インプラントオーバーデンチャーの寿命
インプラントオーバーデンチャーの寿命は、適切に術後のメンテナンスができていれば10年以上です。
インプラントオーバーデンチャーの寿命は、顎の骨に埋め込んだインプラントがどのくらい使えるかに左右されます。
長持ちさせるためにも、術後のメンテナンスをしっかりと行いましょう。
インプラントオーバーデンチャーの金額
インプラントオーバーデンチャーの費用相場は、50〜200万円です。
金額に開きがあるのは、埋入するインプラントの本数によって費用が変わるからです。
詳しく解説します。
インプラントオーバーデンチャーの金額①|インプラントの埋入本数によって費用が変わる
インプラントオーバーデンチャーの金額は、以下の3つで決まります。
- 埋入するインプラントの本数
- インプラントの手術費用
- 入れ歯作成費用
この中で最も費用に影響するのが、入れ歯を支えるのに必要なインプラントの本数です。
インプラントオーバーデンチャーの費用相場は50〜200万円ですが、必要なインプラントの本数が多いほど費用は高くなるでしょう。
インプラントを埋入する骨の量が少ない人は、これに加えて骨造成のための費用が3〜30万円ほどかかります。
インプラントオーバーデンチャーの金額②|総入れ歯の場合は上顎よりも下顎の方が安い
インプラントオーバーデンチャーの金額は、総入れ歯の場合は上顎の方が下顎よりも安い傾向があります。
上顎の総入れ歯の場合インプラントの埋入本数が最低4本であるのに対して、下顎は最低2本でインプラントオーバーデンチャーを支えることができるからです。
上顎の総入れ歯の場合は、同じ4本のインプラントでできるオールオン4と金額が変わらない場合があるので、検討してみるといいでしょう。
インプラントオーバーデンチャーの手順
インプラントオーバーデンチャーは、以下の手順で行われます。
- カウンセリング
歯科医院でインプラントオーバーデンチャーの概要について説明を受けます。 - 精密検査
口腔内審査、レントゲン・CT撮影、歯の型取りなどを行います。 - インプラント埋入手術(1次手術)
インプラントを顎の骨に埋め込む手術を行います。 - アバットメントを取り付ける(2次手術)
1次手術で埋入したインプラントと入れ歯にアバットメントというパーツを取り付けます。
インプラントオーバーデンチャーの場合は、ボタン式のロケーターアタッチメント、ボールが付いたボールアタッチメント、棒が付いたバーアタッチメントが用いられます。 - 入れ歯の装着
インプラントの上に入れ歯を装着して終了です。
まとめ
インプラントオーバデンチャーとは、2〜6本のインプラントで支える入れ歯です。
- 入れ歯が目立ちにくい
- 入れ歯がずれにくい
- 自分で着け外しできる
- インプラントの本数が少なくて済む可能性がある
- 顎の骨の量が少なくても治療できる可能性がある
- 部分入れ歯と総入れ歯の両方に適応できる
このようなメリットがあるので、入れ歯が合わなくて悩んでいる人、より快適な入れ歯を求める人におすすめです。
〈参考〉
インプラントオーバーデンチャーとは?おすすめの人を紹介 | 横浜市中区本牧の歯医者 秋元歯科クリニック
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オールオン4 の 手入れ や メンテナンス について – All-on-4
上顎・下顎のインプラントオーバーデンチャー|本数や費用、寿命について
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この記事の監修者
歯科医師
髙橋 義充 先生
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