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2024/08/27
歯科矯正治療中にお酒を飲むと歯が動くって本当!?お酒と歯の関係を徹底解説
目次
歯科矯正治療中にお酒を飲むと歯が動きやすくなるという情報を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
お酒は歯科矯正治療に影響をあたえるのか、間接的にはどういった影響があるのかを解説します。
お酒だけではなく、歯科矯正治療中の一般的な注意事項もあわせて解説します。
飲酒が歯科矯正治療に影響する根拠はない
結論からお伝えしますと、飲酒が歯科矯正治療に影響するデータはありません。
飲酒が歯の移動にプラスに作用、もしくはマイナスに作用するといった俗説がありますが、そうした主張に根拠はないので、過剰な心配はしなくても大丈夫です。
ただし、歯科矯正治療中に飲酒する際には注意点があるため、次項で解説していきます。
歯科矯正治療中にできないことは?飲酒する場合の注意点
歯科矯正治療中の飲酒に関しては、以下の4つのことに注意しましょう。
- 血流増加による痛みの増加
- 長時間飲酒による虫歯
- 着色汚れと硬い食べ物
- 歯磨きと矯正器具の装着時間
矯正中の飲酒に関する注意点①|血流増加により痛みが増加する恐れ
飲酒することによって血流が増加し、歯の痛みが増加する恐れがあります。
ワイヤー式矯正器具を取り付けたり調整した直後、マウスピース式矯正器具を開始した直後や新しいマウスピースに交換した直後は歯に大きな力が加わり、痛みが発生しやすいタイミングです。
そうした時期に飲酒をすると、心拍数が上昇して血流が増加し、拍動痛が出てしまうおそれがあります。
また、抜歯矯正の場合も、飲酒により抜歯部位に痛みや出血がおこることがあります。
痛みが強いからと鎮痛剤を使用したくなるかもしれませんが、アルコールと鎮痛剤は相性が悪く、肝臓の分解が追いつかずに薬が効きすぎてしまったり、悪酔いしてしまうおそれがあります。
歯科矯正治療中に飲酒したい場合には、痛みが落ち着いているタイミングで飲酒することをおすすめします。
矯正中の飲酒に関する注意点②|長時間飲酒による虫歯
矯正治療中に限ったことではありませんが、長時間にわたって飲酒すると虫歯になりやすくなってしまいます。
飲酒するとだ液の分泌が低下します。
だ液には、殺菌効果、洗浄作用などがあり、だ液が減少すると口内が酸性に傾きます。
そのため、長時間にわたって飲酒すると歯が溶けやすく、虫歯にかかりやすくなってしまうのです。
また、お酒には糖分が多く含まれている点でも虫歯を誘発しやすいという特徴があることにも注意が必要です。さらに、お酒の大半は酸性であるため、歯のエナメル質が溶けて虫歯になりやすいです。
矯正中の飲酒に関する注意点③|着色汚れと硬い食べ物
ワイヤー式矯正治療の場合、飲食時でも歯に矯正器具がついたままのため、着色してしまうことがあります。
汚れやすいのは、ワイヤーをブラケットに留めるための小さなゴム部品「クイック(クイックスティック)」です。
赤ワインなど色の濃いものは着色しやすいため、気になる場合には色の薄い飲み物を選んだり、飲酒前に水で口内を湿らせる、ストローで口の奥で飲み込むなどの対策をしましょう。
矯正中の飲酒に関する注意点④|歯磨きと矯正器具の装着時間
マウスピース式矯正治療は、飲食時に取り外せば着色汚れの心配はありません。
ただし飲食後には、しっかりと歯磨きをしてお口を綺麗な状態にしてからマウスピースを装着しなければ虫歯になりやすくなってしまいます。
また、日々のマウスピース装着時間を守ることも重要です。
マウスピース式矯正治療は1日あたりの装着時間が指示されているため、長時間取り外したままだと歯が治療計画通りに動かないこともありえます。
歯科矯正治療中の一般的な注意点やできないこと
歯科矯正治療中、飲酒以外の注意点について解説します。
矯正中の一般的な注意点①|喫煙は矯正器具に着色汚れが発生するおそれがある
飲酒と同様に、喫煙も歯列矯正治療に直接悪影響を与えるわけではありません。
しかし、矯正器具のパーツを変色させてしまうおそれがあります。
矯正器具に変色や汚れが蓄積していくと、治療意欲が削がれてしまう要因になるため注意しましょう。
矯正中の一般的な注意点②|ワイヤー式矯正治療では固い食べ物、粘着質の食べ物に注意する
飲食時にも矯正器具が歯に付いたままのワイヤー式矯正治療の場合、固い食べ物や粘着質の食べ物に注意が必要です。
せんべい・スルメ・フランスパン・ナッツ類など固い食べ物やガム・キャラメルなどの粘着質の食べ物は、ワイヤー矯正器具を破損・変形させるおそれがあります。
矯正中の一般的な注意点③|マウスピース矯正治療では飲食時に装置の取り外しを徹底する
マウスピース式矯正器具は、原則として飲食時にはマウスピースを取り外す必要があります。
マウスピースを取り付けたままで飲める飲み物は無色透明で虫歯の原因にならない水です。
食事後や糖分が入っている飲み物を飲んだ後には、必ず歯磨きをしてからマウスピースを装着するようにしましょう。
そうしなければ、虫歯になってしまうおそれがあります。
まとめ
飲酒が歯科矯正治療中の歯の移動に影響を与えるデータはないため、過剰な心配は不要です。
しかし、ほとんどのアルコール類は酸性のため虫歯になりやすい口腔環境になりますし、深酒をしてしまうと歯磨きや矯正器具の清掃を怠ってしまうおそれがあります。
また、赤ワインなど色の濃いお酒は着色汚れの原因になります。
歯科矯正治療中の飲酒は適量を守り、虫歯を防いできれいな口腔環境を保ちながら治療に取り組みましょう。
<参考>
お酒で歯が動く?歯列矯正中のお酒との付き合い方 | 埼玉県の矯正歯科情報サイト「オルソペディア」
インビザライン矯正中にお酒を飲めるのか解説|飲み物によるトラブルや対処方法もご紹介します
『矯正中の飲酒(アルコール)について』|町田の矯正歯科専門の歯科医院|土日診療
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この記事の監修者
歯科医師
髙橋 義充 先生
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