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2024/09/10
出っ歯をセラミック治療で治すと後悔する?セラミック治療の後悔、メリット、デメリットを解説!
目次
「出っ歯が気になるけれど歯科矯正治療は時間がかかり過ぎる」
「気になっているのは前歯2本だけなので、矯正するまでもないと思っている」
「出っ歯で歯が大きいのが気になっており、歯を小さくしたい」
このようなお悩みを抱える人にとって、出っ歯を短期間で治せるセラミック治療はとても魅力的です。
セラミック治療は健康な歯を削って被せ物することで、出っ歯の見た目を改善する治療です。
歯科矯正治療のように歯を動かして出っ歯を根本的に改善する治療ではないため、治療後に歯の健康や噛み合わせにトラブルが起きるリスクがあります。
そのため、治療後に「出っ歯の見た目だけに捉われてセラミックをするのは、止めればよかった」と後悔する人が出てきます。
今回は、セラミック治療でよくある5つの後悔、失敗しないために知っておきたいセラミック治療のメリット、デメリット、注意点を解説します!
後悔する人もいる?出っ歯を治すセラミック治療とは
セラミック治療とは、歯をひと回り小さくなるように削って上からセラミックの被せ物をする治療です。
被せ物によって歯の傾きや捻れを調整して歯並びを整えられることから「クイック矯正」や「セラミック矯正」とも呼ばれます。
被せ物を使うため歯の形や色、大きさなどを自分のなりたい雰囲気に合わせて変えることもできます。
治療期間は最短で2週間ほど、治療費用の目安は1本あたり約4万円〜15万円前後です。
使用するセラミックの種類によって費用は異なり、変色しにくくて自然な風合いのセラミックは費用が高い傾向があります。
出っ歯のセラミック治療でよくある5つの後悔
出っ歯をセラミックで治す場合、以下のような点で後悔することがあるようです。
- 出っ歯が治らなかった
- 出っ歯に見えるようになった
- 時間の経過とともに歯とセラミックの境目が目立つようになった
- セラミックが壊れてしまった
- セラミックを支える歯がダメになってしまった
詳しく解説します。
出っ歯のセラミック治療の後悔①|出っ歯が治らなかった
セラミック治療で出っ歯を直したにもかかわらず、治療後に出っ歯が治らずに後悔することがあります。
基本的には、セラミック治療で治せない出っ歯に治療を適用したことが原因となる場合が多いようです。
出っ歯の原因には歯の傾きや位置が原因のもの、上下顎の骨の大きさや位置が原因のものがあります。
セラミック治療で改善できるのは、歯の傾きや位置が原因の出っ歯だけです。
骨格的に出っ歯になっている場合は、セラミック治療を行って歯の傾きや位置を変えても上顎の骨自体が前に出ているので出っ歯は改善できません。
また、噛み合わせに問題がある場合は、セラミック治療をしても出っ歯が改善できないことがあります。
出っ歯のセラミック治療の後悔②|出っ歯になった
セラミック治療が終わった後に出っ歯になったと感じて後悔する場合があります。
このような後悔は、噛み合わせの関係でセラミックを被せる際に前歯を傾ける必要がある症例で感じることが多いようです。
希望する大きさや形のセラミックを入れたときに上下の前歯が強く当たってしまうと、以下のようなことが起こる可能性があります。
- セラミックが壊れやすくなる
- 奥歯が噛まない
このような状態を避けるため、必要以上に上下の前歯が干渉しないように前歯を外側に傾ける場合があるのです。
これにより、治療前よりも前歯が外側に傾いてしまい「出っ歯になった」と感じます。
出っ歯のセラミック治療の後悔③|時間の経過とともに歯とセラミックの境目が目立つようになった
セラミック治療後、時間の経過とともに歯とセラミックの境目が目立つようになり、見た目が悪くなったと後悔することがあります。
原因は歯茎が下がって歯の根本が露出することです。これを「歯肉退縮」といい、加齢変化や歯周病によって起こります。
加齢変化による歯肉退縮は時間の経過とともにある程度起きるものですが、歯周病になると歯肉退縮のスピードは早くなります。
そのため、セラミック治療をした後は歯磨きなどのセルフケアと歯医者のメンテナンスを適切に行い、歯周病によって歯肉退縮のスピードが加速しないように気を付ける必要があります。
出っ歯のセラミック治療の後悔④|セラミックが壊れてしまった
噛み合わせや歯ぎしり、食いしばり、外傷などによって、セラミックが壊れて後悔することがあります。
セラミックはプラスチックと比べると強度が高くて変色しにくい被せ物です。
しかし、永遠に使える訳ではありません。
セラミックの一般的な寿命は長くても10年ほどで、壊れた場合は新しいものに作り替える必要があります。
セラミック治療は自費診療なので作り変える度に高い費用がかかり、維持費がかさむことで後悔することが多いようです。
出っ歯のセラミック治療の後悔⑤|セラミックを被せた歯がダメになってしまった
セラミックを被せた歯が虫歯、歯周病、歯髄炎などになり、後悔することがあります。
歯とセラミックの境目には汚れが溜まりやすいです。
そのため、メンテナンスやセルフケアを怠ると、歯とセラミックの境目から虫歯や歯周病になることがあります。
また、セラミック治療のために歯を削る量の調整が上手くいかないと、その刺激で歯の神経に炎症が起き、歯髄炎になることがあります。
歯髄炎を発症した場合は歯の神経を抜くことになりますが、神経がない歯は栄養不足により脆くなり、歯がダメになる可能性が高いです。
出っ歯をセラミック治療で治す5つのメリット
出っ歯のセラミック治療には、以下のようなメリットがあります。
- 早ければ2ヶ月以内に完了する
- 歯の色、大きさ、形を変えられる
- 「前歯2本だけ」など必要な部分だけ治せる
- 金属アレルギーのリスクがない
- 歯科矯正治療のように後戻りしない
一つずつ解説します。
出っ歯のセラミック治療のメリット①|早ければ2ヶ月以内に完了する
セラミック治療は歯を動かさないで歯並びを綺麗に見せる治療なので、早ければ2ヶ月以内に治療が終わります。
歯を動かして歯並びと噛み合わせを整える歯科矯正治療は2年前後かかるため、早く歯並びを綺麗にしたい人におすすめです。
ただし、治療終了後はセラミックの被せ物を維持するためのメンテナンスが必要となります。
出っ歯のセラミック治療のメリット②|歯の色、大きさ、形を変えられる
セラミック治療は被せ物の色、大きさ、形を変えることができます。
歯科矯正治療では歯の色、大きさ、形は変えられません。
そのため、歯が小さい、歯の大きさが左右非対称、歯の変色などに悩んでいる人にはセラミック治療がおすすめです。
出っ歯のセラミック治療のメリット③|「前歯2本だけ」など必要な部分だけ治せる
セラミック矯正は歯1本から治せるので、出っ歯で気になりやすい真ん中2本だけを治すことも可能です。
歯科矯正治療では気になる歯が1本しかなくても、全ての歯、もしくは前歯6本や小臼歯まで複数の歯を動かす必要があります。
たった1本だけの歯のために複数の歯に矯正装置をつけるのは嫌だという人にとっては、必要な歯だけ治せることは大きなメリットです。
出っ歯のセラミック治療のメリット④|金属アレルギーのリスクがない
セラミック治療は金属を使わないため、矯正器具の金属によるアレルギーのリスクがありません。
歯科矯正治療では選ぶ矯正装置によっては金属アレルギーのリスクがありますが、セラミック治療では何も心配する必要がありません。
出っ歯のセラミック治療のメリット⑤|歯科矯正治療のように後戻りしない
セラミック治療は歯科矯正治療のように歯を動かす治療ではないので、出っ歯に戻る心配がほとんどありません。
歯科矯正治療は歯を動かすため、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を起こす場合があります。
後戻りは歯科矯正治療で動かした歯の周りの骨や歯茎が不安定になることや、歯並びを乱す舌の癖などによって起こります。
しかし、セラミック治療は歯を動かさないで出っ歯を治すので、歯科矯正治療のような後戻りを心配する必要がありません。
出っ歯をセラミック治療で治す6つのデメリット
出っ歯をセラミックで治すデメリットは、以下の6つです。
- 健康な歯を削るため歯が弱くなる
- 健康な歯の神経を取る場合がある
- 歯並びや噛み合わせを根本的に改善することはできない
- 定期的なメンテナンスが必要
- セラミックには寿命がある
- セラミック治療ができない人がいる
セラミック治療は歯への影響が比較的大きい治療なので、後悔しないためにもデメリットをよく理解しておきましょう。
出っ歯のセラミック治療のデメリット①|健康な歯を削るため歯が弱くなる
セラミックの被せ物をするには、健康な歯を削る必要があります。
そのため、歯が弱くなり寿命も短くなる可能性があります。
削った歯は元に戻せないため、歯にどんな影響があるのかをよく考えてセラミック治療をするのか決めましょう。
出っ歯のセラミック治療のデメリット②|健康な歯の神経を取る場合がある
セラミックの被せ物をするためには歯を削る必要がありますが、歯の神経も取る可能性があります。
歯の神経を取るかは、希望の歯の形や歯並びをセラミックで作るためにどのくらい歯を削るかによって異なります。
歯の傾きを大きく変更する場合は神経の近くまで大きく削ることになるため、歯の神経を取る可能性も高くなります。
歯の神経を取ると歯の新陳代謝が行われなくなるので、歯も脆くなりやすいです。
歯が脆くなると歯が折れるリスクが高くなります。
また、神経を取った後に歯の根に膿が溜まって痛みが出る可能性もあります。
セラミックを支える歯が折れたり膿が溜まったりした場合は、抜歯やセラミック治療のやり直しが必要です。
出っ歯のセラミック治療のデメリット③|歯並びや噛み合わせを根本的に改善することはできない
セラミック治療は、歯茎から出ている部分の歯の角度や並びを被せ物で治して綺麗に見せる治療です。
歯茎の中にある歯の根の角度や位置は変わらず、歯科矯正治療のように歯並びや噛み合わせを根本的に改善することはできません。
そのため、見た目だけにこだわると噛み合わせが悪くなる可能性があります。
噛み合わせが悪いと肩こりや頭痛を起こすなど、全身の健康に影響が出る可能性があるので注意しましょう。
セラミック治療で出っ歯を治す場合は、噛み合わせも考慮した上で適応の可否や治療計画を立てる必要があります。
見た目だけを考えると噛み合わせが悪くなるようなケースは、歯科矯正治療で噛み合わせを整えながら出っ歯を改善する方が良いでしょう。
出っ歯のセラミック治療のデメリット④|定期的なメンテナンスが必要
セラミックを長持ちさせるためには、セルフケアを丁寧に行った上で歯医者で定期的なメンテナンスを受ける必要があります。
セラミックと歯の境目には汚れが溜まりやすいため、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
メンテナンスを怠りセラミックの土台となる歯がダメになってしまった場合は、抜歯やセラミック治療のやり直しが必要になるので注意しましょう。
出っ歯のセラミック治療のデメリット⑤|セラミックには寿命がある
セラミックには寿命があり、一般的には10年ほどと言われています。
セラミックの寿命がきた場合は作り直す必要があり、新たに費用がかかります。
セラミックの寿命は個人の歯の質、セルフケアやメンテナンスをどのくらいできているかなどによって異なります。
特に歯ぎしりや食いしばりがある人はセラミックに負担がかかりやすいため、セラミックが早期に割れる、欠ける、外れるなどのリスクが高いです。
出っ歯のセラミック治療のデメリット⑥|セラミック治療ができない人がいる
以下に該当する人は、セラミック治療が受けられないことが多いです。
- 乳歯のある子供
- 糖尿病の人
- 妊娠初期の人
- 麻酔アレルギーの人
- 重度の歯周病の人
いずれもセラミック治療のタイミングを考えたり、身体と口の健康状態を考慮したりする必要があります。
歯科医師とよく相談しましょう。
出っ歯のセラミック治療で後悔しないための3つの注意点
セラミック治療で後悔しないためには、メリットとデメリットの理解に加えて以下の3点に注意しましょう。
- 噛み合わせを考慮しているか確認する
- セラミックの形・色・大きさをきちんと確認する
- セルフケアとメンテナンスを欠かさないようにする
出っ歯のセラミック治療の注意点①|噛み合わせを考慮しているか確認する
見た目だけを考えて出っ歯を治すと、噛み合わせが悪くなってしまう場合があります。
カウンセリングの段階で、噛み合わせに問題が出ないか歯科医師に確認するようにしましょう。
噛み合わせに問題が出る場合は、歯科矯正治療で歯を動かして出っ歯を改善するのがおすすめです。
出っ歯のセラミック治療の注意点②|セラミックの形・色・大きさをきちんと確認する
セラミックの色、形、大きさは歯科医師の判断だけに頼らず、自分で見てきちんと確認するようにしましょう。
歯の色はセラミックの色見本を歯に当てて、鏡で見て確認します。
セラミックの大きさや形は仮歯の段階で確認し、要望があれば歯科医師に伝えて調整してもらいましょう。
確認するときは歯だけを見るのではなく、鏡を顔から離して口元と顔全体の雰囲気も確認するのが大切です。
また、顔を左右に傾けたり合わせ鏡にしたりして、歯の傾きも確認するようにしましょう。
出っ歯のセラミック治療の注意点③|セルフケアとメンテナンスを欠かさないようにする
セルフケアやメンテナンスを怠ると虫歯や歯周病などが原因で歯がダメになってしまい、セラミックの寿命が来る前に再治療が必要になります。
セラミック治療後は、セルフケアと歯医者でのメンテナンスを欠かさないようにしましょう。
まとめ
セラミック治療で出っ歯を改善した以下の人の中には、以下のような後悔をする人がいます。
- 出っ歯が治らなかった
- 出っ歯に見えるようになった
- 時間の経過とともに歯とセラミックの境目が目立つようになった
- セラミックが壊れてしまった
- セラミックを支える歯がダメになってしまった
このような後悔をしないためには、セラミック治療が歯に与える影響やデメリットをよく理解することが大切です。
また、セラミック治療で治せる出っ歯は、骨格や噛み合わせに問題のない出っ歯のみです。
骨格や噛み合わせに問題のある出っ歯の場合は、歯科矯正治療で出っ歯の根本的な原因を改善するのがおすすめです。
〈参考〉
出っ歯を治すためのセラミック治療は後悔する?知っておくべきデメリットとは | hanaravi歯科矯正blog
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この記事の監修者
歯科医師
髙橋 義充 先生
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